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7-14 見世物
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頭から手を離し、軽くパチンと叩いて中身を確認。
カラカラ音がしないと言うことは、何かはこの中に詰まっているらしいな。
「Ωの事情をαが気にする必要はない。
だいたい、俺にはなりたいものもないし」
番をもったΩの第一優先は、αの子どもを産むこと。
それすらこのバカの頭には入ってないのか?
ヤマは疑惑の眼差しなどお構いなしに、叩かれた場所を手で擦りながらも笑顔全開王子様スマイル。
俺、今叩いたよな?
間違いなく怒っていいところだぞ?
「だったら、勉強続けてなりたいものを見つけたらいいっ
Ωの事情があるんだとしても、俺の番になったからって、カナにはそればかりに縛られてほしくないんだ。
カナにはカナらしく生きてほしい」
呑気で困った王子様は、熱意を込めて語ってくれる。
αに産まれていれば、確かに何になりたいか無限の可能性を楽しめたかもしれないが。
弟が産まれるまでは、桜宮家の次期当主。
産まれてからは、まだ見ぬ引き取り先のαに恥をかかせないΩ、つまり跡取りを産むのが俺の将来像だった。
だいたい、α家系の桜宮家から生まれたΩが先月まで偽装αのふりして通っていた学校に。
報道通り、実はΩで皆さんが狙っていた王子様の番でしたなんて・・・見世物になりにいくようなものだろう。
入学早々、上級生や同級生のαからのアプローチを、この人当たりの良い笑顔で断ってること、俺だけじゃなくクラス中が知っている。
しかも日替り、休憩ごとに。
αの告白、特に引く手あまたの女性は、断られる分けないと自信満々でやってきて、人目を気にせず迫るからな。
目の前のやり取りに、見ているだけで疲れた。
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