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ゆめ
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「ん………」
目を開けると、真っ暗で何も無く誰かいるわけでもない、ただ夢であるような暗闇に俺はいた。
「どこ…」
俺は必死にもならず、ここはどこなのか、夢なのか現実なのかを俺は考えた。
「誰かいるんですか〜…」
どうせいないだろ、って思い小さい声で呟いた。
やはり、返事はなく、何も変化はなく俺は1人取り残された。
「ん〜…どうしよ…」
先程まで眠っていたせいか、俺は全く眠くはならなかった。
ただ俺が今いる座っている場所は、何故かふわふわしていた。クッションやベッドに座っている感覚ではない。浮いている感覚だ。
「そういや俺、コード生えたんだっけ。」
俺の体の周りをキョロキョロと見渡してみると、俺が憎んでいたコードはなくなっていた。
「…なくなった」
けど今の状況だと、なくなってもあっても変わんねえんだ。
正直今だとどうでもいい。
コードがなくなるのは現実に戻った時でいいんだよ、空気読め。
「どうせ、ゆめ」
どうせゆめだ。
「寂しくないの?」
突然俺の目の前に現れた少女は、ニコニコと笑いながら俺に話しかけてきた。
他に誰もいないので、俺だろう。
「……」
俺は質問の意味が分からない為黙った。
「ねえねえ、」
「お兄さんはこれって現実だとおもう?」
「思わない」
「どうして?」
「こんな場所、聞いたことない」
「ふーん。」
少女はニコニコしたまま黙ってしまった。
「お兄さんはだあれ?」
「キヨ」
「めずらしいなまえ。」
「おう」
ぎごちない会話。
少女は俺に何を伝えたいのだろう。
「あなたはにんげん?」
「…うん」
「じゃあ、それはなあに?」
少女は俺の体の隣を指さした。
少女が指をさしたところは俺の体から生えているコードだった。また、生えてきた。
「知らないさ、俺が聞きたい」
「へえ」
「じゃあ、あなたにんげんじゃないね!」
「え?」
またあの憎いコードがいつもよりも何倍も生えて、俺を潰すように、包むように。ぐるぐると俺の視界は暗くなった。
少女は最後までわらっていた。
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