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告白
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昇降口に忍び込んで、自分達の教室へ向かう。楽しそうな晴間の顔。変なとこではしゃいだりするから、本当に見ていて飽きない。ねえ、俺、ちゃんと試合勝ったよ。だから・・・いいよね?言っても。
「・・・・すごい静かだな。」
「な!なんか・・・いいなこれ」
「え?あははっ!!晴間みてる方がおもしろいんだけど」
「なんでだよ!」
いつもより挙動不審な晴間。少年か!っとツッコミを入れたくなってしまう・・いや、すればいいんだけどさ、何だか。緊張してるのかな、俺は。
「・・・・おまえ、もしかして・・怖いの?」
そんな俺の様子を勘違いしたのか、そんなアホなことを聞いてくるからデコピンしてやった。
「誰かさんと違って怖くはないですねー」
「・・・・誰かって誰のことだよ、!俺は怖くねーぞ!!」
睨まれるから、笑ってやったら困った顔をされた。・・・なに、その顔。いつもなら笑い返すのに、ちょっと・・なんだろ。・・もしかして何か企んでたりする?
教室のドアを開ける。ガラガラ。いつもと同じ教室なのに何だかいつもと違う感じがするよな、休日の学校って。
ドアは一応閉じて、窓の方へ向かう晴間を追いかける。
ちらっとこっちを見て、微笑む。
・・・・・・・・・・え?なになになになに。なんなのさっきからそんな可愛いことばっかり・・!!俺をどうしたいんだこの可愛い生き物は。微笑むとかなんか今まであんまり見たことないかも。キュンってきた。きました、頂きました神様。キュン頂きましたーーー!!!破壊力がはんぱじゃない、なんだ。なんだよ!
落ち着け、そうだ告白のための準備をしろ。息を整えて、あ、汗くさかったらごめん。一応スプレーしたから、うん。髪は・・・まだヘアバンドしてるから乱れようがないと信じよう。これがダメでもかっこ良かったって思われたい。・・・・・・・・いや、なにフられる気まんまんなんだ。ちょっと落ち着けよ俺。どうしたんだ、あ・・・・あれ、俺告白するのって初めてかも・・・。うわーつかえねー。何が王子だよ、そんな使えない名前、いらない。
「・・・・・・晴間。あの、さ。」
・・・・ちょっとでもかっこつけたい。それがどうしようもなく好きな人ならなおさら。でもそういう人が相手だからこそ、テンパって、焦って動揺するんだ。人生そんなもんだ。だから大丈夫。ありのままを言えば、きっと伝わる。
「俺・・・・・!!」
「俺さあ、雨宮のこと好きなんだけど。」
「うん、そうなんだ。俺も・・・・って、・・・え?」
「だから、俺、お前のこと。すげー好き、なんだけど」
「・・・・・・・・・・・えっ?!えっ?なん、え?」
なんて言ったのこの人?誰が?誰を?っていうか、俺の告白は?
「落ち着けよ」
「落ち着いてられっかよ!!は?なんで、晴間が?おれ?なんで?」
「なんでもクソもねーよ。で、どうなの」
「どうって・・・」
「・・・付き合ってくれますか?俺と」
「・・・・それ、俺が言おうとした台詞・・」
「ははは!!しってるよ!告白は、俺からしようって思ってた。お前が言う前にな!だって、何もかもお前が主導権握ってるなんて、ずるいだろ?」
してやったりな顔
「は~。はは、何でこんな狂わされるんだろうな・・・・・」
晴間だけは、思い通りにならない。
「それこそこっちの台詞だわ」
「何の話。」
「無自覚のフェロモン王子の相手も、なかなか辛いんだって!・・・な、返事・・くれないの」
「・・・・、喜んで」
晴間の左手を取って、ちゅっとキスを落とすと、
頬が赤く染まった。
「かゆいことすんな!!」
ぺしって手を払われる。
手を握ったら、ちょっとだけ晴間の手が震えていて。なんだ、晴間も緊張してたの?なあ、本当に晴間も俺のこと好きなの?今更嘘とか言われたって、もう遅いから。なんか色々びっくりしたけど、俺たちって両思い?これ夢オチとかやめてよ、
目の前の晴間に目を向けるとこっちをまっすぐ見つめる視線とぶつかる。一歩前へ歩むと下がろうとした晴間の足が机の脚にぶつかる音。
カタッ
その音と同時に晴間を引き寄せてキスをする。口、なんかすごい熱い気がする。でもその熱がこれは現実なんだと言ってくれているようで、嬉しくなる。舌でなぞると、遠慮がちに開く唇。キスは初めてじゃないけど、気持ちが通じてると思うと愛しさで頭が沸騰しそうだ。晴間の舌に触れるとたどたどしい動きで絡みついてくるそれが愛しくて、愛しくて。
「・・・はぁ、んん・・ふ・・・・・」
頑張って呼吸を繋いでるけど、だんだん目がとろんとしてきた。
キスって、いつ終わらせるものだっけ。永遠にこうしていたい・・・・でもそれ以上もしたくなる、よくばり?
だって晴間が目の前でこんな顔してるのがいけない。
頭に回っていた手をするすると降ろして、首筋をなぞると、ぴくっと体が揺れた。そのまま下げていって胸にたどり着く。シャツの上から指を這わせると突起にぶつかった。くるっと一度なぞってから押しつぶすと、くすぐったいのか身を捩った。
「っ!・・おい、ここ学校なんだけど・・」
「知ってるけど」
はぁってため息をつかれた。大丈夫だって、最後まではしないよ・・・・多分。
顔を近づけて首筋に吸い付いた。ちょっときつめに吸い付いちゃったから、ごめんって気持ちで赤くなった痕をぺろっと舐める。
そのまま顔を降ろしてシャツの上から乳首を舌でつっついた。吸い付いてつぶして転がして、そうすると俺の唾液でシャツにシミが広がる。あらー、ごめんね。
カツン
廊下から聞こえる足音。先生が見回りにきたのかな。
ま、今いるのは窓側だし、ドア締めたし。騒がなきゃ気づかれないでしょ。
そんな俺の思考とは全く反対の考えをする晴間。
「ちょ!!おい、人!!人来る!!」
「晴間がじっとしてれば、バレないから。」
「そういう問題じゃねえ!!!ちょっ!こっち来る前に・・早く出るぞ!」
俺の手を握ってドアへ向かう。えー?せっかく良い感じの時に・・・・!!
でも、この手って無意識?・・・嬉しいんだけど。
不機嫌になりそうだった俺の機嫌が一気によくなって・・なんでこんなに一緒にいると楽しいんだろう。
「あの・・さ、」
「ん?どうしたの」
うっすらと赤らんだ顔。一回言うのをためらって、ぐって口を閉じて、また意を決して口を開く。
「今日、俺の親帰ってこねーから家こいよ」
後半すっげ早口、しかもだんだん小さくなっていく声。
あーもうどうしよう。こんなに幸せでいいの俺。
しかも悶えてる苦しんで耐えている俺に、「・・続きは俺んちで、な」そう言ってずんずんと歩き始めた。こっち一回も見ないし・・ちょっと、ねえ耳。赤いけど。ていうか首まで赤いけど?
晴間、天才。俺のこと喜ばせる天才。
・・・・何だか俺まで照れてきた。
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