アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
デート
-
「ドコ行こっか?」
地下駐車場にある車の助手席に押し込められて、ユキトは「はぇ?」と一杯一杯になりながら返す。
興味のないユキトには種類など分からないが高級そうな車だ。スポーツカーのように派手なものではなく、どちらかというと女性が好みそうなシンプルな形状をしている。色も薄いそれは、何だか南倉の物だと直ぐに実感できた。
その南倉は運転席でシートベルトを着けている。エンジンをかけ、ハンドルを握る意外と大きな手にすらユキトの心はざわめいた。
少年を抱えてきた青年の薄い体は息一つ乱れていない。プロテインって凄い、とユキトはズレた事を考え自分を落ち着かせた。
「すみません南倉さん俺、帰ります…」
本気で何処かに行くのだと確信したユキトは、稲田の事を思い出し尖った声を出す。しかし「だめ」と大人は問答無用でごねた。
「付き合ってよ。社会人もたまには遊びたいんだ」
そう目の前で寂しげに眉尻を下げられるとユキトも口をつぐむしかない。
ずるい、と心の中で罵倒しながら渋々シートベルトを着けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 229