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調査開始
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「…それで訊きたいんだけど、当然『稲田』ってメイドさんがユキトくんの『大切な人』だよね。どんな関係?」
「えっ何で…あ、」
教えていない稲田の名が南倉から飛び出した事でユキトは驚くも、すぐに気付いた。
そう、暴漢の一人が稲田の名前を口にしていたのだ。苦々しい心持ちでユキトは納得する。
「安心して、悪用なんかしないから。キミが『大切な子』じゃなくて『人』と言った時点で、ユキトくんより年上かなとは思ってたし。どんな職種かも予想は付いてたよ。新しく知ったのは名前くらいだ。……だから、やっぱりちょっと妙なんだよね」
「…どういう事ですか?」
顔をしかめる探偵にユキトは尋ねる。「最初に話を聞いた時にも思ったんだけど」と、南倉は額にコツコツ己の拳を当てた。
「このDVDをキミに送り付けた犯人の意図が気になるんだ。例えば普通に考えて、輪姦した男達がコレをネタに強請ろうとした。さて問題。大金を迅速かつ確実に得るには、誰を脅せば良いでしょう?」
「へ?あ、えと…それは命じた人……っ!」
はっとする少年に探偵は「その通り」と頷く。
「ユキトくんじゃなく、母親の方が妥当だよね。なんなら弱味のある父親でもいい。ね、不可解だろ?キミも小遣いは貰ってるだろうけど、どう考えても不自然だしタカが知れてる。何よりも子供の行動って大人には予想しにくいから、本来ならキミをターゲットにするのは避ける筈なんだ。状況を正しく認識するか分からないし、犯人にとって都合の悪い事態になるリスクが一番高いからね。にも関わらず、ユキトくんに送った。…という事は、考えられるのは一つだ」
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