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俺が料理を食べ終わっても、恂は起きる気配などなく、
相変わらずぐっすりだ。
卵焼きは冷めてもさほど問題ないだろうが、卵スープが冷めたらマズイだろう。
あと数分待って起きなかったら恂の分も食べてしまおう。
そう思った時、恂が寝返りを打とうとしてベッドに頭をぶつけた。
「いって!」
ゴンッという豪快な音とほぼ同時に呻き声をもらした恂は、ぶつけた部分を擦りながら上半身を起こした。
そして寝ぼけ目で俺の姿を捉える。
「……あれ、涼…、待ってるうちに寝ちまってたか…。
客を置き去りにして一体何してたんだお前」
まだ眠そうな声で恂は言った。
「あー そうそう、卵余ってたから食いモン作ったんだけど食うか?」
食いモンというワードに、わずかに目を動かし反応を示す。
そして机の上の料理に気付くと、卵焼きの乗った皿と
割り箸を手に取り、ゆっくりと食べ始めた。
恂が食べている間にベッドの上を片付けるか。
親がいないことをいい事に、全く片付けていないベッドの上には様々な物が散らばっている。
例えば……恂と道端で拾ったエロ本や、恂に貰った焦げ茶のベルト、恂とお揃いのTシャツに、恂が忘れていった漫画……などなど。
思い出と言えるような綺麗なものではないが、恂と一緒に成長してきたことが見える。
…エロ本はそのままでいいとして(?)、ベルトは定位置があるわけでもないので放置、Tシャツは後で洗濯して、漫画は本棚に……っと。
完璧だ。
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