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ちょうど恂も食べ終えたようだ。
口をもぐもぐと動かしながら 俺の使った皿と恂の使った皿を丁寧に重ねて置く。
恂は口の中の食べ物を飲み込み、さて!と言った顔で俺を見た。
「……なんだよ」
「なんだよじゃねーよ。あれ、つける練習しねーの?」
そうだった。
腹が満たされた俺は明日の事を忘れかけていた。
薬局のレジ袋もどこに置いたか忘れてしまった。
「あーー、れ。レジ袋どこやったかな…」
「馬鹿か」
「いやお前よりは賢いわ」
俺に軽く貶された恂は ムッと眉を寄せ、俺のリュックを鷲掴んだ。
「持ってんの恥ずかしい〜ってリュックの中しまってただろ。恂様の方が頭良いですって謝ったら返してやる」
恂はリュックの中から薬局のレジ袋を出し、顔の横でぶらつかせて見せる。
恂はプライドが高く、感傷的。
いかにも人間らしい。
そんな感情的な恂が面白いと言ったら悪いが、興味深くて楽しい。
あやまりがいもあるってわけだ。
「あーごめんごめん!恂の方が頭良いです!はい!」
俺が 言いながらベッドを降りると、恂は立ち上がり
ベッドに腰を下ろした。
「…もっと感情込めろぉ!おめぇ演劇部だろぉがァ!?」
「いや関係なッ………ヴン"ッッ………。
…申し訳ございません。私のような者が、誰よりも優れていらっしゃる恂様にとんだご無礼を……お許しください」
こんな役柄を演じたことはないが、とりあえず口から出任せ、適当なことを言う。
「……ふん、よかろう!」
恂はニッと口角を上げ、
片膝をつき 頭を下げている俺の頭上にレジ袋を投げつけた。
投げられたレジ袋からコンドームの箱が落ちる。
恂は 落ちたコンドームの箱を座ったまま拾い上げ、
妙な笑みを浮かべた。
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