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今日のノルマは夏季課題として出された数学のテキストを終わらせる事だ。
正直普通の人なら最低でも三日はかかると思うが、僕と晴人くらいの学力と集中力があれば今日中に終わるだろう。
僕はどちらかと言うと文系教科が得意で、晴人は理系教科が得意だ。
勉強を始めてからの晴人はとても集中していて、始めてから三時間、既に半分は終えているらしい。
「晴人。ここ、教えて」
「ん。どれ?」
高校レベルの問題はザラに出題されていて、僕は今大学入試の問題で手が止まっていた。
晴人はルーズリーフにサラサラと図と式を書き、それを僕に説明してくれる。
今の晴人は勉強モードだから変な気は一切ないと思うのだが、何せ距離が近すぎて僕が変な気を起こしそうだ。
「で、こうなる。どう?解けそう?」
「あぁ、うん。すごく分かりやすかった。ありがと」
いつのまにか晴人の説明は終わっていた。
とても分かりやすく書いてくれているから、説明を多少聞き逃したところで理解できる。
教え方がこれだけ上手いってことは、問題をちゃんと根本から理解できてるんだろうなと感心する。
「千早はあと三時間で終わりそう?」
「見ての通り、ちょっと厳しいかも。晴人は今日何時に帰る?」
「今日は父親は出張で帰ってこない」
「そっか。なら泊まれるね。19時までには終わらせるから」
チュッと晴人の唇にキスをして、また勉強を再開する。
何度か晴人に質問したり、少し休憩をとったりもした。
僕より早くノルマを終えた晴人は、僕につきっきりで教えてくれて、僕が課題を終えたのは18:30だった。
「じゃあ爺やが夕食作ってくれてるから、食べてから一緒にお風呂入ろっか」
「あぁ」
グッと伸びをしてダイニングへ向かうと、晴人が泊まるにせよ泊まらないにせよ食べて帰ると分かっていた爺やは、ご丁寧にスッポン鍋を準備していた。
両親には晴人とのことを話していないが、毎日一緒にいる爺やはそれくらい察してくれているし、僕たちのことを応援してくれている。
にしても、こんなもの晴人に食べさせたら僕がもつかな…?
多少の不安はあるが、爺やからのプレゼントとして有り難く頂いた。
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