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「晴、おはよう」
「へ?」
緋色の発した言葉に、緋色の満面の笑みに、
俺はマヌケな顔で、マヌケな言葉を発してしまった。
『おはよう』って。
起こされたことにキレないのか?
「もう本当、せっかく寝てたって言うのに…」
「あ…ごめん、ヒロ君… ごめん…なさい」
「違う違う。 晴じゃなくてさ、朝比奈。 晴は何にも悪くないから。 ね?」
ニコニコと笑って晴の頭を撫でる緋色は、全く怒っていなかった。
強いて言うなら、俺に…?
「晴、良く眠れた? 朝比奈来たから起こされちゃったね」
「う? せんせ? 違うの。ちゃんと眠れたの。 偉い偉いって…ふふっ」
「眠れたご褒美欲しい?」
「うん。ヒロ君からね、ボク、欲しい…」
見つめ合う2人は、何だか妖艶な雰囲気を醸し出していた。
あぁ、嫌な予感…
「しょうがないな…」
緋色はふっと笑って、晴に口付けた。
ほら予感的中。
こんないちゃつき、俺は見たくないんだけど…
そんな俺の思いとは裏腹に、触れるだけのキスだったのが濃厚なものになり、
見せ付けるように何度も唇を重ねるようになっていた。
もう止めさせようか。と俺が口を開く前に、
晴がそっと緋色の耳元で呟いた。
「ヒロ君、勃っちゃったぁ…」
「俺のキスで?」
「うん… ヒロ君、ヒロ君…」
「ほら、大丈夫だから泣かない。泣かない。 な?」
緋色に抱きつきながら泣いてしまった晴の頭を撫でながら、
晴が何と呟いたか聞こうとすると、緋色に 内緒。と言われてしまった。
それでも、「俺がヌいてあげるから大丈夫だよ」という緋色の言葉に、
あぁ、勃ったのか。と、納得した。
俺も男だから分かる。
やっぱりヌかないと辛いよな…
それでも、コイツらは愛し合うことに一生懸命で、
本来の目的まで遠回り。だと困るんだけど…
「晴、どうする? 朝比奈居てもいい?」
「…や 怖い…怖い。 ヒロ君、いやぁ、やなのぉ…」
俺が考えている間にも、晴は恐怖と色々で限界なようで、
怖い。怖い。と言いながら浅い呼吸を繰り返していた。
「朝比奈、ちょっと出ててよ」
「もう…お前ら、自慰だけだからな。 それ以上はするな」
「はいはい」
「“自慰”だぞ! ただでさえお前らは両方、体力無いんだから…」
はいはい。と空返事を繰り返す緋色に、
信じてるからな。と釘をさして病室を出た。
もちろん病室のすぐ前で待機だが…
しばらくすると、緋色の甘ったるい声と、
晴の小さな喘ぎ声が聞こえてきて、俺は恥ずかしさで額に手を当てた。
こんなこと他の先生たちが知ったら俺は異動だろうな…
誰も来ないことをキョロキョロと確認しながら、
俺は はぁ。と、溜め息をついた。
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