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朝起きると、僕の目の前には大貴の寝顔があって僕は少し戸惑ってしまう。
大貴の寝顔をじっと見ていると、その格好良さに改めて気付く。
「かっこいいなぁ、大貴」
無防備な頬に優しく手を触れる。
と、僕の手首を大貴が掴んだ。
「なーにやってんの」
大貴はニヤニヤと楽しそうに笑っていた。
いつから起きてたんだ……
「び、びっくりさせないでよ」
「優、さっきなんて言った?俺がなんて?」
分かってる癖に聞いてくる辺り、狡い。
僕は恥ずかしくなって大貴の胸に顔を埋めた。
「ゆーうくん」
「やだ」
大貴が優しく頭を撫でてくれる。
僕は大貴の匂いと、温もりでもう一度意識を手放しそうになる。
「可愛いなー優は」
大貴の声で手放そうとしていた意識が戻ってきた。
「ねえ大貴」
僕は大貴の胸に顔を埋めたままで大貴に質問をする。
「ん?」
「大貴は僕のこと好き?」
「なんだよ急に」
大貴がふっと鼻で笑った。
僕は冗談で聞いてるんじゃないのに。
「僕は好きだよ、大貴のこと」
「ありがとな」
「僕はお礼が聞きたいんじゃなくて大貴の気持ちが聞きたいの」
大貴はいつも逃げる。
前までは、好きって言ったら言い返してくれた。
僕が毎日しつこいくらい聞いても、ちゃんと言ってくれたのに。
「好きだよ」
「それは僕が大貴を好きな気持ちと一緒?」
「んー今はわかんね」
「そっか」
僕の浮気事件があってから僕らの気持ちはバラバラになってしまっていた。
〝分からない〟その言葉が僕の胸に刺さる。
やっぱり、大貴の好きは友達としての好きで、僕の好きは恋愛として好きで。
これじゃただの片思い。
それでも僕をこうやって自分の隣に置いておくのは、同情?それとも独占欲?
隣でもう一度眠った大貴の気持ちが分からなくなった。
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