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はじまり
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「あのさ。たぶん俺、ニンシンした。」
郁生にそういわれたのは、ある昼休みだった。
オメガのフェロモンに引き摺られるように、エッチして以来、同僚というより少し深い付き合いではあったけど
たとえ、事後であっても、郁生は常に淡々としていた。
おれを相手に選んだのも、単純に自分のペースでエッチしたいからだと、悪びれることなく言うようなヤツのことだ。
きっと何か魂胆があるに違いないと思って身構えていたのだが
「翔には迷惑かけないからさ。コレだけ書いてよ」
差し出されたのは、堕胎に関する同意書ではなく、
カップル申請書だった。
「え。」
固まるおれに、郁生は普段よりずっと早口でこう言った。
「おまえの子だったら、頑丈そうじゃん?だから、産むことにした。」
ーそれって、つまり
おれと家族になろうよ的な、ソレなのか?
「ダメだっつっても、俺は産むからな!」
いやいやいや。
そこで、なんでキレるんだよ。
そっぽ向いたまんまのニンプくんを抱き締めて、おれはこう言ってやった。
「コチラこそ。フツツカモノですが、どうぞ、ヨロシク御願いします。」
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