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決意と勇気(視点 蓮)
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後始末が終わり、叶多様のまっている車に戻る。
辺りは暗くなり始めていた。
「お待たせしました。」
そう声をかけ、エンジンをかける。
叶多様が「あぁ」と返事をする。
アクセルを踏み、学校をあとにする。
ルームミラーで後ろを見る。
叶多様は愛おしそうに篠崎瑠璃のことを見ていた。
まるで、縋っているように。
その後、数分の沈黙が続いた。
すると、ずっと黙っていた叶多様は何かを決意したように口を開いた。
「ねぇ、蓮。瑠璃がさ、起きたらさ…
言おうと思う。
本田財閥に仕えることも、一緒にいれるのも1ヶ月を切っていることも。」
「…叶多様がそう仰るのなら。」
いきなり言われて反応が遅れる。
まさか叶多様がそんなことを言うとは…
(どうやら意を決したようでございますね。)
少し安心した自分がいた。
もし言わないまま時間が過ぎたらどうするつもりだったのかと思っていたから。
「何も言わずにいきなりお別れして、瑠璃を傷つけたくない。
せめて、瑠璃の心の負担がかからないようにしたい。」
「そうですね。」
それから叶多様は家に着くまで口を開くことは無かった。
心の準備をしているようだった。
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