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4 売買
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H side
オークションの時間になった。
次々と奴隷が買われていくのを、彼の番がくるのを待ちながら眺めていた。
「ヒラ...大丈夫...?」
フジに心配そうに聞かれる。おれクリエイティブモードだから金なら全然あるし大丈夫なのにね。
「大丈夫だって。おれこういうの慣れてる」
フジにドヤ顔で言って見せた。
そして、その時が来た。
『続きまして、○番、キヨのオークションに移ります。値段は10万からです』
次々に手が上がり、値段が高くなる。おれはただ待っていた。
そして、誰も手を上げなくなった時に立ち上がった。
「...2億、で」
そのとたん、会場はざわついた。そうでしょうそうでしょう。2億なんて出さないもんね。
『えっと...2億以上の方は...』
それ以上は手は上がらなかった。おれの勝ち。
『それでは...ヒラ様は後でロビーにてキヨをお受け取り下さい。』
これでキヨはヒジキ国のもの。フジにドヤ顔してやった。
「ありがとう...ヒラ、」
「あったりまえよー。」
オークションが一通り終わり、おれたちはロビーに行った。
「ヒラ様ですね。こちらがキヨです、お受け取り下さい。」
おれは、クリエイティブモードで出した金と引き換えにキヨを受け取った。
「キヨっ...!」
「フジっ、ふじ...会いたかった...!」
フジとキヨが抱き合う。二人とも泣いていた。
「フジっ、おれ、寂しかった...怖かったぁ...!」
「ごめんね、でももう大丈夫だからね」
こうやってキヨが立った姿を見ると、おれより20cmくらいキヨのが大きい。にしては痩せすぎだと思う。体は骨みたいに細いし、傷だらけだし、フジに抱きついているキヨは、自分で立っている、というよりフジに支えられているような体制だった。
「キヨ...こんな痩せちゃって...その、ご飯もらえなかったの....?」
「...まあ、でも、俺が悪いの、俺が、悪い子だったから......」
本当に酷い環境だったんだなと思うと心が痛む。
はやく、こんな場所から離してあげたいって思った。
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