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人の気配を感じて目を覚ました
「あぁ、目を覚ましちゃったか…」
そこには幸助さんが居た
あれ?龍哉さんは?
キョロキョロと周りを見渡す
「若はね、今ちょっと手が離せないんだって」
幸助さんに抱っこされリビングへと移動した
龍哉さんはリビングでPCをいじりながらスマホで誰かに連絡を取っていた
確かに忙しそうだった
蛍さんも居た
「蓮くんっ…具合の方は大丈夫?」
コクンと頷く
俺は蛍さんに抱っこしてもらいたくて手を伸ばし体を前のめりにした
「おっと…」
抱っこしてもらってソファーに座る
「蓮くん…やっぱり熱いね…水飲む?」
…水…欲しい
ペットボトルを受け取り水を流し込んだ
さすがに蛍さんには口移しは無理だろうから
蛍さんの上に座っていると
「蓮」
と龍哉さんが俺の名前を呼んだ
龍哉さんの方を見ると少しイラついた顔をして居たのでスッと蛍さんの上から退けソファーにちょこんと座りなおした
「ね、ねぇ、蓮くん…昨日玄関に誰がきて居たか覚えてる?」
と龍哉さんを気にしながら蛍さんは聞いてきた
そういえば、誰だっけ?
意外な人物だったような気がする
「佐々木 翔太って奴か?」
と龍哉さんが口を開いた
そうだ…佐々木が玄関に居たんだ
『っ!お前っ…んぐっ』
声を出そうとするといきなりホールドされて布を当てられてそれであの事件が起きた
龍哉さんの顔を見て頷いた
「やっぱりか…どうやって足取りを掴む?」
龍哉さんがため息混じりにそう言った
「佐々木は学生なので学校とかにいる可能性もありますよね?」
「呑気に学校にいると思うか?」
「…仕方ない、海堂…学校に行って確かめてこい」
「はい…じゃあまたね蓮くん」
蛍さんはすぐに着替えて学校へと行ってしまった
「蓮…佐々木って奴はあの裏通りにいたって言ってたよな?」
(はい)
「そこらへんを夜探って見るか」
「そうっすね」
「旭にも手伝ってもらうか…佐野、朝日に連絡入れとけ」
「わかりました」
幸助さんは、部屋を出て電話をしに行ったみたいだ
「蓮…佐々木を捕まえたらどうしてやりたい?」
(え?…)
「殺してやりたいか?…それとも消したいか?」
極端な選択肢に戸惑う
龍哉さんの顔が少しずつ怖い顔に変わった
「俺は、蓮を拉致って傷つけたあいつらが許せない…だから本当に殺したい勢いだ。それに今回見逃すと次もまたあいつらは同じことを繰り返すぞ…こういうのは早めに潰しておかないとダメだ」
確かに、龍哉さんの言っていることはわかる
俺はペンと紙を持って龍哉さんに俺の意見を書いてみせた
『一度だけ、佐々木と2人で話をしたいです。俺にどんな恨みがあるのかとか知った上で対応を考えたいと思ってます。だから、殺すことはしないでください』
「……本当にそれでいいのか?蓮がそうしたいなら俺は蓮の希望に応えたい。でも、もしまた蓮に危害を与える行動をとったら迷わず潰しにかかるがいいか?」
その時はその時だ
佐々木もきっとわかってると思う
(はい)
「よし、わかった…じゃあ、佐々木を探すから蓮は見つかるまで待ってろ」
龍哉さんの顔は元に戻り俺を安心させるように頭を撫でた
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