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体育祭 5
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立花先生とはしばらく恋バナで盛り上がっているとリレーが始まるとアナウンスが入った。
「あ、はじまるわよ。梓馬君は…アンカーみたいね。」
チームは5人いてあーちゃんはアンカー、涼さんは最後から2番目らしい。
「あらあら、じーっと見つめちゃって。」
「もぉ、からかわないで下さい…。」
「はいはい。」
立花先生は僕を見てニヤニヤしている。
恥ずかしいなぁ。
僕らが雑談をしていると、パンッと大きな音がして第一走者が走り始める。
皆足早いなぁ…羨ましい。
第一走者から第二走者へ、第三走者へと次々にバトンがまわる。
今の所あーちゃんのチームが1位だ。
頑張れ〜!
心の中でいっぱい応援する。
「あぁ!!」
第三走者が涼さんにバトンを渡す手前で大袈裟に転けた。
その間に後ろからきた人達に抜かされていき順位は4位まで落ちてしまう。
それでも立ち上がったその人のバトンは涼さんに渡った。
涼さんが走り出すと周りの男子生徒の野太い声援が上がる。
「うぉー!!」
「涼さんかっこいい〜!」
びっくりした…流石涼さんだ。
確かに涼さんはかっこよかった。
さっき抜かれた人達を次々に追い抜き2位までにのぼりつめる。
でもいくら涼さんが足が速くても1位との差が開き過ぎていて抜けないままにバトンはあーちゃんへと渡った。
"まかせろ"
バトンを受け取る際にあーちゃんが涼さんにそう言ったのが分かった。
そこには厚い信頼関係の様なものが見えて、あーちゃんの一番は僕じゃダメだって言われてる様な気がした。
「梓馬君が走るわよ…って、どうしたの?」
「え、あ、はい…」
暗い顔をしているのを見られてしまった。
「何でもないです。」
そんな事随分前から分かっていたじゃないか。
気を取り直してあーちゃんの方を見る。
「凄い…」
開いていた差がぐんと縮まり2人は横並びで走っている。
もうすぐ僕の前をあーちゃんが通り過ぎる。
僕は我慢出来なくなって立ち上がった。
「あーちゃん、頑張れ!」
そう言うとあーちゃんが僕の方を見る。
"あぁ"
それまでしんどそうにしていたのに、そう言ってニヤリと笑うあーちゃん。
次の瞬間、パンッとゴールの合図がなった。
「やったぁ…」
ペタンと足の力が抜けたように椅子に座る僕。
勝ったのはあーちゃんのチーム。
「かっこよかったわねぇ。」
「好きになっちゃダメですよ?」
「ならないわよ、嫉妬なんて可愛いわね。」
立花先生は僕の髪をぐしゃぐしゃと撫でて、
「さぁ、そろそろ仕事に戻りましょうか。」
そう言って立ち上がる。
テントにはさっきコケた生徒が治療を受けに来ていた。
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