アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
元恋人
-
今日の桜井先生は何かおかしかった。誰が見てもわかるくらいだった。
あの人は誰なんだろう。久しぶりと言っていたから昔、仲が良かった人だろうか。桜井先生と初めてあったことを思い出す。
俺が高校生の時だった。友達のマンションに遊びに来たとき息抜きに屋上に行った。そこには自殺しようとしている人がいて、柵に手をついて下を見ていた。
少し顔を歪めていたから、余計自殺っぽかった。
とりあえず止めなければと彼を柵から引き離した。
すると俺にしがみついて泣いてきた。少し可愛かったような気がする。今と変わらない赤い髪をした、桜井先生だった。
次に会ったのは今の学校に勤めてからだ。
聞きたいけど聞けない。あの人は俺から離れていってしまうのかなと縁起でもないことを考えてしまう。
気分転換にコンビニに行こうと思いマンションの階段を降りる。エレベーターもあるがなんとなく階段の気分だった。
コンビニに着くと、結婚式で会った人を見つけた。
向こうの方から声をかけてきた。
「そらの友達やん、ここでなにしてんの?」
「買い物です。買い忘れをしてしまったので。」
「へー、そんな緊張せんでもええやん」
「してません。誰なんですか?」
「俺の名前は高橋涼やで、そらの元恋人や」
少し顔がひきつる。
「その顔は知らんかったってことやな、聞きたいことあると思うけどそんなんは全部そらから聞き」
思っていたことが見透かされているみたいで恥ずかしい。
「おれさ、まだ空のことが好きやねん。絶対そらは渡さんから、」
「桜井先生は俺のものです。あなたなんかには渡さない。」
「なんや、反発することもできるやん。もう時間やから行くわ、頑張りやー」
なんかむかつく。よゆーな感じが苛立ちをそそる。
これからどうしようか、ずっと閉じ込めておきたい。
それが可能だったらと無理なことを思っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 50