アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
「あの…涼さん」
食器洗いは俺の仕事。
洗い物をしながら、恐る恐るきいてみる。
「涼さんは…俺の、どこが好きなんですか?」
「…圭斗は?」
「…え?」
「圭斗は、僕のどこが好きなの?」
優しいところ。
どんなに時間がかかっても、俺が分かるまで教えてくれたところ。
理解できたとき、褒めてくれたあの笑顔。
それから、いつも姿勢が良くて字も綺麗で、長い睫毛と形の良い唇が色っぽくて…
「…圭斗」
「えっ、あ…」
涼さんの好きなところを考えていると、ふいにお腹に手が回される。
「まだ…洗い終わってないんですけど…」
後ろから不意討ちで抱きしめられるなんて初めてで、緊張してしまう。
「…僕、本当は不安なんだよ」
「…え?」
「僕は先生たちの中では若い方だけど、圭斗とは10歳も年が離れてる。まだ若い圭斗の相手が、30手前のおじさんで良いのかな、とか。」
涼さん、そんなこと思ってたんだ。
「そもそも、圭斗はノーマルでしょ?僕、そんなの初めてだから…」
「初めて…?」
「僕が今まで付き合った男の人はみんな、ゲイかバイセクシャルだったから」
…みんな?
いったい何人いるんだろう、涼さんの過去の恋人は…。
「でも、俺、涼さんのこと……すきです」
「分かってる」
心なしか、抱きしめる腕に力がこもった気がする。
背中から伝わる涼さんの体温。
温かい…。
「…ねぇ、圭斗。ひかない?」
「え…何ですか?」
「……僕、圭斗と、エッチしたい」
「…えっ!」
いつもより低めのトーンでねだるような声。
俺の肩に顎を乗せて、ぎゅっと抱きしめている。
涼さんの新たな一面発見。
俺に甘えてる…?ちょっと可愛い。
って、そうじゃなくて!
「えっ…と…、その…」
「嫌なら嫌って言ってくれていいからね」
嫌?なのか…?
何て言うか、俺は今驚いてる。
急だったから。
キスもまだ数えるくらいしかしたことないし。
「…圭斗と、身体で繋がりたいんだ。圭斗が僕のことを身体で受け入れてくれたら、大丈夫だって思える気がするから」
…なんだろう、こんな涼さん初めてだ。
いつもは大人の余裕で笑ってるのに。
それに、たぶん涼さんの言ってることは正論だ。
男と女だって、愛を確かめるために…そういうこと、するんだから。
「…まぁ、最後まで行かないにしても」
お腹に回っていた手が少し下にずれる。
「っ!!」
「抜いてあげよっか。溜まってるでしょ」
耳元で囁かれる声が妙にえろくて、困る。
「…なんてね」
いつもの調子でふわりと笑った涼さんは俺から離れる。
俺、からかわれただけ?
…でも。
さっきのは、たぶん、本音だったんじゃないかな…。
直前に、不安だ、と言っていたことを思い出す。
「…涼さん」
「ん?」
食器を洗い終えたので、手を拭いてからソファに座る涼さんの隣へ行く。
隣に座るけど、涼さんの顔は見られない…。
「…あの、男同士って…その、」
「お尻の穴?」
「…ですよね?」
「うん。やっぱ抵抗ある?」
そりゃあるよ。
だって本来の使い方じゃないもん。
でも、相手が涼さんなら、…うーん、どうなんだろう。
「…すぐじゃなくて良いし。圭斗が僕に入れる方でもいいし。」
「えっ」
「…僕、両方いけるから」
顔を上げると、目の前には相変わらずの笑顔を浮かべる涼さん。
…ていうか、大人だな。
こういう話、落ち着いてできるのって。
「…さ、今日はもうこの話やめとこっか。圭斗、何時に帰る?」
立ち上がった涼さんの手を、思わず取る。
「…どうした?」
どうしたいのか、自分でも分からない。
でも、俺だって涼さんと繋がりたいという想いが、いくらかはあった。
「もしかして、抜いてほしい?いいよ、寝室行く?」
涼さんは色っぽく笑うけど、俺は…。
「良いですよ」
「…え?」
「涼さんになら、…抱かれても」
涼さんの色気にほだされたのか、男同士への好奇心か。
それともただ、健全な10代男子の性欲か。
とにかく、俺はそう答えてしまっていた。
─────
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 4