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BL Land「2014 Valentine」Tour{増刊特集}
はんぶんこ⑦
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晃はほんの少し考えた後、手にしたチョコレートへと唇を近づけた。
端をかじると、チョコレートはパキンと小気味良い音をたてて割れ、舌の上でほどけるように溶けていく。
「……美味いな」
晃が呟くと、省吾はドヤ顔で口角を大きく引き上げた。
本当に美味しいと、心から思った。
これが省吾の愛なら、絶対に手放したくないと、晃はそっとチョコレートを握り締め。
目の前の大きな黒い瞳を、愛しげに見つめ、優しく微笑んだ。
「晃って、普段の目つきなんて最高に悪いくせに、たまにそんな顔するんだよな」
感心したようにため息をつく省吾に、何だよとつっかかると、あ、もう戻ったしと笑われた。
「そんなだから女にキャアキャアいわれんだよ。どーでもいいけどさ」
ガツガツと板チョコをかじる省吾を誰よりも愛しく思いながら、晃は省吾と半分に分け合った甘いチョコレートを口に含み、今手にしている確かな幸せを抱きしめ、祈った。
どうか、いつまでも。
<終わり>
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