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淹れた茶を乗せたトレーを持って、賢斗の部屋のドアをノックすると、数秒で開いたドアから賢斗が顔を出した。
「あ......お、お茶をお持ちしました」
「ははっ。どうしてそんなかしこまってんだよ」
緊張から敬語を使ってしまうと、賢斗は可笑しそうに笑う。そんな賢斗がなんだか前よりも格好良く見えて、俺の胸がきゅっとなった。
「とりあえず、入れよ」
「う、うん」
お互いソファに腰を下ろして、賢斗は俺が淹れてきた茶をすする。
いつものことなのにすごく落ち着かず、俺はトレーを抱きしめた。そんなそわそわしている俺に、賢斗は声をかけてくる。
「修弥」
カップをテーブルに置いて、左手で手招きをする賢斗。それが何を意味しているのかは明確で、俺は自分の顔が火照っているのを感じた。
「えっ......今日も、すんの?」
「俺はしてえけど、修弥はやだ?」
賢斗にそう聞かれた俺は慌てて首を横に振る。
すると賢斗は嬉しそうに微笑んで、左手で俺を抱き寄せた。いきなりだったから、俺の身体が賢斗の右腕に当たりそうになり、俺は慌てて身を引く。
「ちょっ、危ないだろ!」
せっかく治りかけてるのに、悪化させたら元も子もない。
手に持ったトレーで賢斗の頭を軽く叩けば、賢斗はバツの悪そうな顔をする。
「悪い。つい」
「ついって、お前な......」
俺は賢斗に呆れた目を向けて、トレーをテーブルに置く。そして立ち上がって、賢斗の正面に立った。
「修弥?」
「......これでいいんだろ?」
俺はそっぽを向きながら賢斗の膝の上に座る。
すっごく恥ずかしいけど、今日の俺は浮かれているらしく、いつもより少しだけ積極的になれた。
「修弥、すっげえ可愛い」
「うるさい......」
俺の顎をつかんで前を向かせてくる賢斗に相変わらず悪態をつきながらも、賢斗の綺麗な黒い目に見つめられると身体は正直になってしまい、俺たちは顔を寄せ合って唇を重ねた。
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