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コンコンと毎晩のようにドアをノックする。
すぐにドアが開いて現れたのは、五体満足な姿となった賢斗だ。
「よお。入れよ」
「う、うん」
賢斗の部屋に入り、俺はいつも通りカップをテーブルの上に置く。賢斗はソファに座り、カップを持ってそれをすすった。
「美味い」
そう言って微笑む賢斗に、俺はドキッとする。いくら慣れて来たとはいえ、鳴上や瑞希の淹れた茶にはまだまだ敵わないそれを、いつも美味いと言ってくれるのは嬉しかった。
「......」
「......」
このまえ俺が「気持ちよくする」なんて変なことを言ってしまったため、二人の間には妙な沈黙が流れ、それに耐えられなかった俺は、席を立つ。
「お、俺、宿題あるからっ」
そう言って帰ろうとした俺の手を賢斗が掴んだ。
「今日は行かせねえ」
「でもっ」
「駄目だ」
そう言って、賢斗は俺をソファに押し倒して覆いかぶさってくる。俺の顔の横に両腕をついているから、逃げ出せない。
「おいっ、手治ったばっかりなんだから......」
「完治したんだから問題ないだろ」
「......っ」
賢斗の真剣な目が俺を見る。冷たいのに、熱を帯びているその瞳に俺は身震いをした。
「い、嫌だ......賢斗」
「何が嫌なんだ?キス?触られるの?」
「ち、違っ......ん」
強引に唇を奪われ、抵抗してもなかなか離れない。息が苦しくなった頃にやっと解放されて空気を求めると、開いた口に賢斗の舌が忍び込んできた。
「......!?んんっ!」
賢斗の舌が俺の舌を這い、クチュクチュと音が漏れる。
「ふあっ......けんっ、と......んっ」
恥ずかしいのにそれも忘れるくらい頭が真っ白になってしまう。それくらいこのキスは気持ちが良かった。
「はっ......はぁ......」
やっと解放された頃には、唇がヒリヒリして、俺の目からは涙が伝っていた。その涙を唇で吸った賢斗が、俺を見つめる。
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