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「で?」
「もういい!」
ここまで人を馬鹿にしておいて続きを促す高杉を睨みつけて、俺はそっぽを向く。
「そんなカッカしてるとシワ増えて恋人に振られるよ?」
「......え......?」
俺に恋人がいるなんてこいつが知るわけないから、ただ何気なく言っただけなんだろうけど、俺には重要な問題だったから一瞬フリーズしてしまう。
「え、なに君、彼女いたの?」
「かっ、彼女じゃないけど!」
なんて言ってしまった俺は馬鹿だ。
その証拠に高杉の目はみるみる大きく見開かれていく。
「え、彼氏......?」
「ーーっ」
図星ってこういうことだろう。
俺の手は止まり、頬に冷や汗が流れ、高杉の目は見れない。この反応を肯定と取った高杉がため息をついた。引かれた?と思ったけど、それは違うらしい。
「まあ、君が誰と付き合ってようがどうでもいいけど」
「え?引かない?反対しない?」
「なんでそんなことしなくちゃならないの。恋愛なんて自由にするものでしょ」
意外と寛容なんだなと見直していたら、高杉は目を伏せて「まあ......」と哀しげに呟く。
「......大人になったらそうも言ってられないけどね」
その憂いを含んだ様子が気になってしまい、俺はつい踏み込んだことを聞いてしまう。
「お前は自由じゃないの?」
「ん?あー......そうだね。我慢しなきゃならないことたくさんあるよ」
そう言って苦笑いをした高杉は、珍しく大人の顔をしていて、やっぱり教師なんだと実感した。
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