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「皆さんはこれからこの部屋の奥にある扉を通ってもらいます。その扉が君達の資質を見て各寮の玄関の扉へ繋いでくれます」
ハイと1人の生徒が手を挙げた
「あの〜、どんな資質でどの寮に分けられるんですかぁ?」
「天にまで届きそうな程高く建てられた ‘’空寮‘’は、知識、身体能力、魔力全てにおいて同等の実力を持つ生徒が。深い海の中に建てられた ‘’海寮‘’は、治癒などの補助系魔法を得意とする生徒が。地脈の近くに建てられた ‘’炎寮‘’は、身体能力がずば抜けて高い生徒が。光がささない地下に建てられた ‘’闇寮‘’は、魔力が高い生徒が選ばれます」
寮は学校以外の時間、殆どの時間寮で生活をする事になる
なので、生活の中で自然と資質が育つようにあらゆる仕掛けが施されているらしい
「どういう仕掛けなのかは入寮してからのお楽しみです」
その言葉に、生徒達は一斉に目を輝かせた
「じゃあ、君から入って行ってください」
順に奥へ進む生徒を遠くで見ていると、ツバサが楽しそうに言った
「一緒の寮だとええなぁ」
「……そうか?」
「嫌か?」
聞かれて首を傾げた
嫌ではないが、一緒がいいとは思えない…つまり…
「どうでもええんやな…」
がくりとツバサは項垂れた
「そもそも俺は体力が無いし力も無い。補助系魔法は治癒魔法が壊滅的だ。そうなると、高確率で闇寮になると思う。ツバサは魔力が高い方なのか?」
「ギルドカードではAやったなぁ…。けど力もAやったから…どうなんやろ?クリアは魔力のランクはどの位やった?」
「EX」
その言葉に、ツバサは口をあんぐり開けた
EXは測定不能…つまり、能力が高すぎて測定できなかった時に出るランクだ
「魔力でEX出る奴おったんか…」
「もう次みたいだ。行くな」
奥の部屋に向かう後ろ姿に、慌ててツバサは声をかけた
「夕食の事忘れるなよ!待ち合わせは食堂前で19時な!」
「19時…分かった」
「あ、後!放課後は私服で大丈夫や!」
「了解だ」
***********
進んだ俺は、目の前の扉に釘付けになった
その扉の表面に刻み込まれた魔法陣は、3つの魔法が重ねられた重複魔法だったのだ
3つの魔法を同時に発動させる魔法陣は不可能とされており、夢物語の中でしかなかった…が、目の前にそれがあるっ!
何故不可能とされていたのかというと、発動に必要な魔力量が大量に必要で、発動にも時間がかかるからだった
後、上手く組み合わせていないと爆発するのだ
しかしこの魔法陣は上手く組み合わさっており、ところどころ大きな宝石や水晶も埋め込んであった
恐らくこれは豪華に見せようとしているのではなく、問題点としてあった魔力量と魔力の循環を解決する為に埋め込まれているのだろう
宝石や水晶は魔力を吸収し、増幅する力があるとされている
魔法陣の一部として組み込むとは脱帽だ
そしてもう一つ面白いのが、悪戯のように隠されたもう一つの使い道だ
一体誰が何を思ってこれを作っただろう
「何をしてるの?さっさと通って」
突然、バシンッ!と鞭がとんできて、頬をかすった
「っ!?」
慌てて鞭の届かないところまで下がった
頰を触るとぬるりとした感触が…
「いきなり何をする。勿体ない」
血を袖で拭いながら聞くと、青い髪の背の低い童顔の生徒が床を鞭で叩きながらこっちを睨んできた
「こっちは忙しいんだよね。さっさと通ってよ。なんなの?もたもたしちゃってさぁ」
だからってすぐに暴力を振るうのか?嫌な奴だ
「早くして。次は本当に当てるよ」
もっと見ていたかったが仕方ない…
名残惜しげに魔方陣をひと撫でし、扉を通った
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