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「ハハハッ!!」
何処となくぐったりしているツバサから事情を聞いたマオは笑った
いつかこうなることは予想出来ていたからだ
「笑い事やないですよ!文句言いに行くって聞かなくって、大変やったんですから!」
「昔から魔力が高いことを良いことに、全て魔法に任せていたからなぁ。その癖が抜けねぇんだろ」
「そんなに昔から魔力のコントロールができてたんですか?」
「あぁ。歩くこともしなかったな。だから正直、歩いていることに違和感を感じている」
「えぇ…ほんまですかそれ…」
どうりで…と、ツバサはソファで項垂れるクリアを憐れみの目で見る
まぁ、ノイズの時はある事情で、歩かなかったというより歩けなかったという方が正しいのだが…
しかし今は歩けるのだ
それでこの状態はかなり良くない
「父様…運動……」
心配そうに呟くクウリの頭をぽんと撫でる
「まぁ心配なのは分かるが、今のあいつには必要な事だ。俺からもあの体育教師には、根性はあるから寝込むギリギリラインを攻めて鍛えるように…と伝えといている。だから安心しろ」
「全く安心できへん!」
「そんな!?」
寝込むギリギリを攻めるだと!?
その言葉にショックを受け、クリアは立ち上がった
そんなのは駄目なのだ。そんなことをされたら!
「俺、委員会の仕事ができない!!」
「心配すんのそこなん!?いや、流石に無理やろ!こっちに任せて鍛えることに集中せぇ」
「嫌だ!這ってでも来てやる!」
「なんちゅう執念!体壊すで!?」
「仲間に余計な負担を与えるよりマシだ!」
「「ハァ…」」
マオとクウリは溜め息を吐いた
仲間に執着するクリアは頼られることをとても喜ぶが、逆に頼るのを非常に嫌がった
仲間に迷惑だと思われたくないという気持ちからくるようだが、正直に言うと逆に迷惑である
素直に頼れよ。めんどくさい
クウリの目配せを受け、マオは頷きクリアを呼ぶ
「お前の分は俺達がカバーする。なんでか分かるか?俺達が仲間だからだ」
頬を優しく包むと微笑んだ
「だからこれは仲間であるお前を思っての言葉だ。…キースの許可が得るまで生徒会室に入室するのは禁止とする」
「そんなっ!!!」
「言っておくが、キーツに危害を加える。又は脅した場合、どうなるか分かるな?」
目が笑ってない笑顔で言われたクリアはごくりと生唾を飲み込んだ
「…泣くからな。クウリが」
えっ!?と振り返るとクウリの目が潤んでおり、(目薬で潤ませただけ)必死にクリアは頷いた
「なんちゅう連携や…」
「あいつには、お前のせいで俺達が傷つきますアピールした方がきくんだよ。今度やってみろ」
「やりません!!」
**********
次の日からクリアは地獄の日々を送ることとなった
ストレッチ後、校庭内をジョギング
休憩を挟んだ後、転がり、転がって転がされまくった
「いや、なんで転がされてんの?」
ゼーハーと息を整えながらも聞くと、キーツは呆れたようにタオルと飲み物を渡した
「いつか聞いてくるとは思っていたが…まさかやり始めて1週間後に聞いてくるとは思わなかったわ」
「疑問に思う余裕がなかったんだよ!起き上がって転がされるだけでもすごい疲れるぞ!これ!」
すると、そうだろうそうだろう!と楽しげにキースは笑いだした
「色々考えたが、実践に向けての筋トレの方が良いだろうと思ってな。武器も持てないお子様レベルのお前には、まずは受け身をとらせることにしたんだ。様々な体制から受け身を素早く、スムーズにとる。それができる頃には、普通の女性レベルの体力と筋力がついてるだろうよ」
「そしたら武器を振るのか?」
「その前に腕立てといった筋トレだな。そんな筋肉が付いてない腕で振ったら体痛めるぞ」
「…道のりが長すぎる…」
ツバサに頑張れ!と言って渡されたスポーツドリンクを飲みながら、放課後の筋トレという名の地獄が続くことを心の中で嘆いた
早く生徒会に戻りたい…
しかしこの1週間で体力はかなりついたのではないだろうか?
ツバサに背負われることは…筋肉痛で辛い時たまに背負ってはもらってるけど無くなってはきた…多分?
そろそろ始めるぞ!という言葉に絶望しながらも、立ち上がる
そんなクリアに声が掛かった
「やぁ。頑張ってるね」
声を掛けたのは担任であるアカツキだった
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