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「渡したいと思った。
血が滲む程唇を噛んで、色が変わる程自分の腕を握り締めて‥そうやって涙を我慢するキミに、俺が持ってる幸せをあげたいと思った」
「っ!」
頬を撫でていた手が頭の後ろへ回り俺を少しだけ持ち上げた。
重なる影は大きくなり、近付く距離に目を見開いく。
ゆっくり重なった唇に驚いて俺は噛んでいた唇を解放した。
「永久‥」
「っ先生、何っしてんですか!」
名前を呼ばれてハッとした。
踏み入れてはいけない所に片足を入れそうになっていたから。
「っ痛‥」
「もう噛むな。噛みたいなら俺の唇を噛めばいい」
噛んだ唇に出来た傷口を舐められピリッと痛みが走る。
「っやめッ、先生っ」
「永久‥」
「んっは‥っ」
「ん、まだ‥話し終わってないから。最後まで聞いて」
一瞬深く絡まった舌は俺を黙らせたけど、先生の唇には俺の血が付いていた。
「‥すぐにでも抱き締めたいと思ったんだ。
強く強く抱き締めて、俺の胸で泣けばいいと思った。
何時間でも何日でも何年でも、俺に縋り付いて壊れる程泣けばいいと思った。
壊れる程泣いて‥もし本当にキミが壊れてしまったとしても、俺の持ってる幸せで必ずキミを幸せにできると思った。
自信がある。
キミを幸せにする自信。
あるよ、永久。
だから俺を選べ。
もう1人で抱え込むな。
1人で悲しまなくていい‥俺が側にいるから」
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