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target4-1.興味
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――月杜学園屋上。
授業中の誰もいないはずのそこに、淫靡な音と高く乱れた声が響いていた。
「あっあ!昶、さまぁ…あんっ!」
小柄の男子制服を乱した生徒が、後ろから突かれ、その度に嬌声を上げる。
昶は腰を動かしながら、ふと教室の窓から見える颯都を発見した。
見ていると、違う事が気になり出した。
先ほどから響いている女のような声で、アイツも喘ぐのだろうか。
だらしなく口から涎を垂らし、自ら喜んで腰を振る、この少年のように。
――いや、違う。
生徒会室で見たように…襲いくる快感に堪えた表情で、反抗的な眼でこちらを睨みを効かせるのだ。
自分が組み敷いているのを想像しゴクリ、と唾を飲む。
興奮が高まっていくのを感じながら、昶は腰を掴んで激しく律動させた。
「ん…ああっ、やだぁぁ……あ、ひゃんっ!い、いいよぉぉっ」
ひたすら喘ぐ声は耳には入らず、窓から見える颯都を見ながら、想像の中で犯す。
あの鋭い眼に自分だけを映し、抵抗に構わず攻め立てる。
…それは、たまらなく欲望を掻き立てられるものだと思った。
「ん、んっ!あぁっ、ひぅ!…すごぉい…!イっちゃううぅっ!!」
思いきり締めつけられ、昶は颯都の中に出すのを思い描きながら射精し、自身を引き抜いた。
「昶さまぁ…僕、まだ…」
頬を紅潮させ、期待した眼で上目使いに見つめてくる少年に、昶はいつものような気分の高揚は感じなかった。
寧ろ、先ほどまでの高揚感がまるで冷めきっていく。
「ん~ごめんね。オレ、さっきので満足しちゃったから」
まるっきり作って、笑う。
「そぉなんだ…じゃあ~」
「ごめん、眠たいから、一人にしてくんない?」
「じゃあ、また連絡してね!待ってるから」
ベタベタくっついてくる少年に苛つきながらも笑うと、その笑顔を鵜呑みにして頷き、服を整えて去って行った。
それを見るのは止めて、新しい興味が向かった方へ視線をずらす。
その先には、授業中の颯都。
語学、数学、科学…どんな授業でも、颯都は当てられるとサラサラと答え、普通は知らないような難解な数式の羅列も黒板にスラスラと書いてしまう。
声は聞こえないものの、唇の動きを見れば分かる。
「(秀才、ってやつね…)」
柵に寄りかかり、午前中は窓から見える様子をただ見ていた。
昼休みに、呼び出していた親衛隊の一人と合流する。
「ちゃんと撮って来た?」
「はい、もうバッチリと!」
昶はニヤリと笑い、差し出されたカメラのSDカードを受け取った。
自由棟の視聴覚室でSDに録画したビデオを再生する。
それは、さまざまな競技をこなす颯都の体育の様子。
「成績優秀、運動神経抜群…まるで会長みたいにつけ入る隙がないよね?」
「はい…その他にも、剣道部、バスケ部、弓道部などさまざまな部活を掛け持ちし、参加しているようです。
もう、完璧としか言いようが……」
盗撮した写真を渡しながら昶に説明していると、流れたままのビデオから一瞬映像が途切れ、颯都が着替え中の映像が映し出された。
「あっ!?これは、その、違うんです!い、いつの間にか間違えて…」
「いいじゃん」
「は…?」
顔を赤くしながら必死に弁解する言葉を昶は遮り、ジッとスクリーンを見る。
体育の後着衣を脱ぎ、引き締まった筋肉質で細い上半身を惜しげもなく晒す颯都が、大画面に映っている。
肌を汗が流れ、運動の後だからか頬を上気させている姿は刺激的だ。
ビデオにチラチラと映る誰もが颯都に注目しては、男の目線でそれを見ている。
昶はリモコンでその映像を止めると、自動で電気がつく。
「これだけじゃあ…物足りないな~」
「…どうされるおつもりで?」
後ろで腕を組み椅子で遊んでいた昶は、元の姿勢に戻って口元に笑みを浮かべた。
「やっぱさ…何でも生で味わった方が、一番じゃん?」
―――――――…
―――
―――――……
放課後、昶は勉学棟の空き教室に、颯都を手紙で呼び出していた。
さまざまな親衛隊に何度も呼び出されては返り討ちにしてきた颯都は、机の上に座る昶を面倒そうに見る。
「…喧嘩してぇなら、さっさとかかって来いよ」
「オレ、そんな色気のない割に疲れる事嫌いだからしないよ」
「なら何の用だ?」
昶は机から飛び降り、颯都に近づいていく。
颯都は逃げる事なく、少し怪訝な表情で昶と向かい合う。
昶はにっこりと笑みを湛えて、瞬時に颯都のネクタイを引っ張り自分の元へ寄せた。
「これからオレと、イイことしない?」
耳許で、甘く囁いた。
(簡単に手に入る玩具に退屈してたから)
(君はオレを楽しませてくれるよね?)
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