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target4-16.職権濫用
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落ちそうな書類を分担して持って来た先は、準備室(という名の琉生の根城)。
此処に来ては琉生の雑用をこなすのは、最早恒例の一つとなっていた。
書類をひたすら印刷する作業、
用紙をページ順に重ね、ホッチキスを止めていく作業など…
どれも、誰も好き好んでやらないような単調な雑用だ。
特に、雑用が嫌という訳ではない。
ただ…。
「ん?何か言いたげだな」
「…職権乱用って言葉知ってますか」
手を休めずに言う声に、琉生はニッと笑う。
「そんな事言いながら、五十嵐は毎回手伝ってくれる。優しいよなぁ~」
「…別に」
送られてくる視線を、照れ隠しからか顔を逸らして受け流す。
琉生はそれを見て笑みを深め、作業を続けた。
…そして、長時間を費やし漸く作業は終了を迎えた。
颯都は息を吐き、琉生は大きく手を伸ばす。
「あぁ~、つっかれたァ~…!」
「じゃ、俺は此で」
「あ、ちょっと待てよ?」
琉生は立ち上がり、給湯室で二人分のコーヒーを入れて、一つを颯都の前に置く。
「お疲れさん。ハゲ…、教頭の所からがめてきた美味いコーヒーだ」
口許で微笑みながら椅子に掛け、コーヒーを啜る。
即刻立ち去るつもりでいた颯都だったが、思い直して厚意を受け取る事にする。
「…どうも」
口に含むと、苦味と香りが一気に広がって、疲労した身体が落ち着いた。
「美味いだろ?」
「あぁ…」
会話しながら飲み干していけば、急激に眠気が襲ってきた。
「ん……」
しきりに目を擦っても瞼が重い。
気付かない間に疲労を溜め込んでいたのだろうか。
意識が保てず身体を突っ伏し、微睡みの海に飲み込まれていった。
「…流石、即効性だなぁ」
琉生が空になった粉薬の袋をつまみ上げ、ボソリと呟く。
――こいつは即効性で催眠状態になり、弛緩作用もある。どう使うかは、お前次第だがな。
…榊は煙草を吸いながら、自己開発した怪しい薬を寄越した。
机に突っ伏す五十嵐の身体を椅子に持たれさせると、艶のある黒髪がサラリと揺れた。
「どうかしてんなぁ~…」
そんな事は、頭では解っている。
しかし目線は首筋に行き、誘われるまま整然とした襟元のネクタイを崩す。
露わになる白い肌と、襟元から見え隠れする赤い痕。
あぁ、それに。
この馨しい匂いに、惹き付けられて止まない。
指でなぞっていた首筋に、衝動に突き動かされ、抜き出た牙で噛み付いた。
―――――――…
―――
―――――……
「ん、ンっ……あ、ぁあ…!」
腰を突き上げる度、部屋に声が響き、二人座った椅子がギシギシ悲鳴を上げる。
「(…何で、こんな…―)…っん、ぁ!」
熱で霞んだ思考で判断しようとしても、刺激に思考が奪われ追い付かない。
ただただ、脳内を支配する快感に。
卑猥な水音を立てて打ち付けられる熱の塊。
快感に歪む顔が、更に情欲を誘った。
揺さぶられる身体が不安定で、琉生の背中にしがみ付き、シャツに皺がよる。
「んッあ、りゅう、せ…」
「は…、五十嵐…!」
普段少しも乱れる事のない颯都が、自分の上であられもない姿で乱されている。
濡れた音と、互いの荒い呼吸。
室内を満たす淫靡な空気。
ある一点を突き上げると颯都の身体が震え、中がキュッと締まる。
「ぁ、其処、止め……!」
「ここか?」
「んッ、は…ぁ…っ!」
何度もその場所を集中的に突き上げ白濁を吐き出し、奥に熱を感じながら重い瞼を閉じた。
「っく…、五十嵐?」
息を整えつつ肩越しに見ると、肩に寄り掛かって眠っていた。
余程疲れているのだろう。
後始末をした後、眠っている颯都の身体に毛布を掛け、くしゃっと髪を撫でた。
(こんな行為に走るなんて)
(…らしくないな)
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