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おわり。
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ーーーーー
ーーー
広い水色の空に、数羽の鳩が飛んでいる。
「……………。」
慎太郎はそれを、ビルに囲まれた裏道から見上げていた。
黒髪から覗く鈍い青の瞳。
そこに鳥の姿が映し出される。
鳩が過ぎ去った後、彼はゆっくりと瞼を閉じた。
そして顔を正面に向けると、そこには冬護の姿が。
「………いくよ。」
そう言うと慎太郎はフードを深くかぶり、闇の中へと歩いて行った。
暗い、
とても暗い、
底の見えない深い闇へと……。
「…………………。」
その後を冬護は無言でついて行った。
やがて2人の姿は、暗闇の中へと消えていく。
ーーー再び彼らが表に姿を現すのは、それから2年経った時だった。
「ーーーー♪ーーーー♪」
暗闇の中で、影がニヤリと笑う。
「さぁ、これでこの物語はお終いだ。」
鼻歌を聞きながら、チェスは再び元に戻る。
「………さて、」
パチンッと、影は暗闇で手を叩く。
「これからまた、新たに物語を始めよう。」
ーーーきっと、これよりも面白い悲劇になるよ。
影は嬉しそうに笑い声を上げた。
ーーつきびと 慎太郎編「終わりと始まり」END.
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