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二十八話
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何の用件かと思っていたその瞬間。
「矢野先生、私、あなたの事が好きでした。」
一瞬脳に血液が行かなくなると思った。
マーガレットを一輪だけ持ち、ひざまづかれ、真っ直ぐな眼差しで立花先生は見てきた。
まるで読んだこと無いが、少女漫画のようだった。
初めて告白された相手が男__
震えた手でマーガレットを受け取った。
「有難うございます。でも私は男です。」
「良いんです。それでも。」
「でも……この件は一旦保留で良いですk
口を塞がれた。キスされた。
苦しくなるほど塞がれた。
やっと離され
呼吸を整え
「あの……立花……先生?」
その時なにか頭に乗っかった。
手に取って確かめるとマーガレットの花冠だった。
「世界中の誰よりも綺麗です。矢野先生。」
甘い言葉を言われて、何故か涙が溢れた。
「ほら、生徒たちに置いてかれちゃいますよ。」
と涙が混じりに伝えた言葉はどの感情か分からなかった。
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