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そして、そんな最悪な出来事があった日から隆虎さんは俺のバーに来ることもなくなり。
せっかく、また会えるようになったばかりだというのに。
どうしてこうまで上手くいかないのかという事に、俺は唯々嘆くようにため息を吐きながら。
バーで足りなくなったものを買い足そうと、仕事着ではなくて。
ラフで動きやすい白のTシャツに紺系のジーパンを履いて、人々で溢れるコンクリートと鉄筋だらけの街を歩きつつ。
モダンアートが素敵に輝く店を、見つけるたびに。
俺はそこで、バーに必要なものを買って。
どんどんバーをよくしていこうと、そう思いながら…。
買っていった食材とお酒を、ゆっくりと持ってきた黄金色の紙袋に入れて。
テラス席がとても綺麗なカフェのある通り道を、進んで行けば。
「フー君、ねぇ次は何処行こうか?ルド君次はもっと過激でエキサイトな場所見たいな」
「おいおい…まだ行くのか。まあでも、最高に面白くて楽しいから良いけどな」
「だよね!すっごく楽しいよね」
そう、あの日別れた時と全く同じ格好をしている隆虎さんとルドルフの楽しそうな会話が耳に聴こえてきて。
「なっ…」と俺はそう驚いた声を上げながら、テラス席の奥で楽しくサンドウィッチを食べている二人を。
モヤモヤとした感情を胸に抱きつつ、じっと見つめれば。
そんな俺の視線など、全く届いていないかのように。
「ルド…そういえばこうやって話すのは、久しぶりだな」
「そうだね…最近仕事ばっかりで、こんな風にお喋りなんて出来なかったしね」
「まあな…。でもそれが俺たちの役割だし」
「だね。それがルド君たちだもんね。だから同じ仲間のフー君、ルドにキスしてよ」
そうルドルフは冗談のように言いながらも、甘えるような仕草で笑っているので。
俺はその光景を見て、胸が苦しくなって。
訳もわからず、目から一筋の涙をこぼしながら。
「…隆虎さん、どうして…あんな子と…」
そうモヤモヤとした嫌な感情を、爆発させたように嫌味っぽく言えば。
「楓…何故ここに居る?」という隆虎さんの驚いた声が、耳にきこえてきて。
俺は思わず、
「隆虎さんこそ、どうしてここに居るんですか?」と聞き返せば。
「…仕事だからだ」
「仕事…なんですか?本当に?…隣にその子を連れて、仕事するんですか!!」
「楓…?どうした、何故そんなに怒っている?」
隆虎さんは、何故?どうして?というかのような表情を見せながら、俺にそう問いかけるので。
俺は、そんな反応する隆虎さんに。
ムカムカとしか怒りの感情が湧いてきて…。
「そんなの!!貴方が、そんな小さな子と一緒に居るからに決まっているからじゃないですか!!このショタコンクソ野郎!!」
「なっ…楓、そう怒るな。可愛いお前がそうやって醜く怒るなんて、見たくねぇ…」
「醜い…なんですかそれ…!?隆虎さん俺、本気で怒りますよ!!」
俺はそう噛みつくように言い放ちながら、ズカズカと隆虎さんに掴みかかろうとすれば。
そんな行動などお見通しだと言わんばかりに、俺の行動よりも早い動きで。
隆虎さんは俺の動きを封じるかのように、ギュッと抱きしめるので…。
「何するんですか!!こんな事しても、俺…許しませんから!!」
「楓…落ち着け。いや…落ち着けられねぇのか…。クソっ…やりやがったなルドルフ!!」
「あはははっ…バレちゃったか!!」
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