アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
鈍感って言われたって
-
「うっ…」
なんで…
先輩に抱きしめられたと思ったら、今度は突然泣けてきた。
それに気づいたようで、守沢先輩が慌てる気配がした。
「…高峯、俺はおまえに何かしたか?」
ぼそっと、呟くように吐かれたその言葉は、いつもの守沢先輩は欠片も感じない、
弱々しく、哀しみに満ちた声だった。
「……何かしたって思ってるなら、さっさと離してくださ―
「おまえは…! この1週間ほどずっと俺のことを避けていたよな?
…いくら俺が鈍感って言われたって、おまえに避けられてる事くらい
気づくに決まっているだろう…!!」
俺が言い終わらないいた守沢先輩が捲し立てる。
…そうだ。確かに俺はここ最近、守沢先輩を避けてきた。
先輩といると落ち着かない。
ユニット活動や部活は仕方ないとしても、
それ以外では接しないようにしてきたし、
どうしても避けられない時でも、
必要最最最最最最低限、というぐらいにしか
関わらないようにしていた。
正直、周囲にも迷惑かけてきた部分もあったと思う。
でも…。それでも、守沢先輩と…守沢千秋と一緒にはいたくなかった。
胸の奥がもやもやして、何かがぐるぐるして、
気持ち悪くなるのだ。
「…なぁ、高峯。俺の事…嫌い、なのか?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 21