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episode.129 夜のオハナシ
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〜琉side〜
5月11日
「……やばい……」
琉は事務所で頭を抱えていた。
「どしたん?」
今日はバラエティの撮影。それまで事務所で翔也と待機だった。
「……昨日あの後、恋のことちょっと乱暴に抱いた。」
「え?!小雪ちゃんいたんじゃないの?!」
「いた。」
「うわぁ……琉、理性はどこ行ったの。」
「駆逐された。」
「どこぞの漫画みたいなこと言うんじゃありません。本音は?」
「めちゃめちゃ満足。」
「……独占欲強すぎな。どうせ遥さんに嫉妬でもしたんでしょー。」
さすが親友だと琉は思った。
「だって……見ただろ?恋があんなに、甘えるように……クッソ、今思い出しても腹立つ。」
「そんなに好きなら言っちゃえばいいのにさぁ…」
「……記憶が戻るまでは言わないって決めたんだよ。ちょっとずつ記憶戻ってきてるんだし。」
「まあそれならそうでもいいけどさぁ。」
「恋を目の前にすると理性が利かなくなるんだよ……昨日だってそんなに意地悪するつもりもなかったんだけど、シてる最中に小雪が声かけてきてさ。」
「え。」
「んでも恋があまりに可愛い反応するから…」
「おま……ひどいな。」
翔也は完全に呆れ顔だ。
「でも可愛かったし……めっちゃ可愛かったし!!」
「あー、何が悲しくて親友の夜の営みの話聞いてんだよ俺は。」
「……そういやお前はシねえの?明希くんだって、そろそろ不安になってくるんじゃないの?」
「そう、そこが心配なの。シたくてもきっとシたいなんて言わないだろうから、手出してこないから興味ないとか思われてたらどうしよう。」
「そろそろチャレンジしてみれば?」
「……いや、初夜にするって決めたの。」
「ロマンチストか。」
「でも何が大変って、毎日一緒に寝るだろ?もう生殺しだよ。」
「自分ですんの?」
「これがね。する隙がないの。もうそろそろ暴発するんじゃないかと思ってる。」
「理性失って怖がらせるとかやめろよ。俺一応これでも恋が怖がってないのはわかっててやってるし。」
「それなんだよな……怖がらせるのだけはやなんだよね。」
「……まああと1ヶ月は切ってるから。がんばれよ。」
琉はそう言って翔也の肩をポンと叩いた。
「琉もね。てか小雪ちゃんには気をつけなよ?」
「え?どういう意味だよ。」
「……琉ってニブチンだよね。」
翔也はそういうと大きなため息をついた。
「はぁ?」
「まあいいよ。うん。あ、結婚式のスピーチ、琉と恋くんに頼みたいんだけど。」
「え、2人でってこと?」
「うん。いいだろ?」
「恋がいいって言えばいいよ。」
「さっき明希ちゃんが許可取りましたー。」
用意周到だな、と琉は笑ってしまう。
「ん。じゃあいいよ。そういや新婚旅行はどーすんの?」
「んー、週末じゃん?だから土日だけホテル泊まって、旅行はまた改めてかな。」
「そっか。どこ行くつもりなんだ?」
「今マネージャーに頼んで仕事明けてもらってて、ローデンスに行こうと思ってる!」
「あー、ジルたちに会いに行くの?」
「会えるかわかんないけどね。ってことで、琉たちももちろんついてきてよね。」
「……は?それ新婚旅行にならねーだろ?!」
「やだなぁ、明希ちゃんの希望だもん。叶えてあげなきゃ。大丈夫、スケジュール調整なら琉の分も頼んであるから!」
「ったく……恋には言ったの?」
「明希ちゃんから言ってもらったよー。琉がいいならいいらしいから。」
「はいはい、わかったわかった。」
「よっしゃ!」
「赤津さん、木之本さん、スタジオ入りお願いします!」
ちょうど話がまとまった時、スタッフから声がかかった。
「「はい。」」
その日のバラエティ収録では、翔也がやたら、結婚の話でからかわれていて、琉にまで飛び火したりしていた。
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