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episode.145 再会
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※「もう一度、僕を呼んで」のepisode.20-3とリンクしています。
〜琉side〜
「リュウ、ショウヤ。」
食堂に入ると後ろから声をかけられ、琉と翔也は振り返る。
「久しぶりだな。」
「ジル。久しぶり。」
「……なんだか恋の顔色が悪いが大丈夫か?」
「あぁ、飛行機酔いしただけだから、気にするな。」
心配するジルに、琉は苦笑いでそう言った。
「そうか。もうじきジュエライドたちも集まる。みんなで朝食にしよう。」
「わざわざ用意してくれたんだね。気使わせてごめんね。」
「いいんだ。みんな喜ぶしな。」
「国王陛下や王妃様と一緒に食べなくてよかったの?」
「今日は2人は公務だから、朝5時から出かけている。出先で食べると言っていたから大丈夫だよ。まあ座ってくれ。」
翔也の問いに、ジルがそう言って広い食堂の席を示す。
「自己紹介は皆が揃ってからでいいな?」
「あぁ。いつもここで食事か?」
「そうだな、大体は。パーティーの時は広間に食事を用意するが……」
(さすが王城……)
「今回はみんなの好きなものもなにもわからなかったからバイキング形式にしてもらった。これからの食事はなんでも好きなものを言ってくれ。」
「……ジルってやっぱり王子様だね。すごいや。」
「そうか?王子とは無力なものだぞ。」
翔也に対してそう言ったジルの表情はどこが苦しげだった。
だがその理由を考える間もなく、食堂の扉が開いた。
「アキ、レン。」
「あ、クレア。」
ジュエライドたちが続々と入ってくる。
「あれ、ラズくんは?」
「今着替えている。もうじき来るだろう。」
ジルがそう言うのとほぼ同時に、ラズが姿を見せた。
相変わらず無表情だが、以前会った時よりどことなく感情があるように琉は思った。
"ラズ……"
"やっぱりレンの友達だったんだ。"
「……?千秋と会ってたのか?」
恋が不思議そうにそう尋ねる。
"さっき庭でね。"
「さて、全員揃ったことだし自己紹介でもしようか。」
ジルがそう言い、みんなが席に着く。
料理が大皿に乗って運ばれてくる間、小雪、紘、千秋が自己紹介をした。
「そうでしたか、カラスザワの……」
レイがそう言って頷く。
「じゃあ、ラズが手話を覚えたのはここでも役に立ちそうだね。」
ロンはにっこりと笑ってそう言った。
「そうだ、そういえば手話使えるようになってたな。」
恋はそう言ってラズの方を見る。
"うん。少し練習した。"
「みんな手話が読めるのか。」
トムは感心したようにそう言った。
「手話使うの?俺たち、ラズは耳聞こえるから手話読めても使えないんだけど……」
「その点は心配ない。千秋は読唇術がかなり得意だから。日常会話なら読み取れる。」
ハルの言葉に、紘がそう答える。
「チアキすごいな!」
約半年ぶりの再会に、話がかなり弾み、食事中話が尽きることはなかった。
ジルたちに勧められ、日中はそれぞれ観光でもして、夜は城のみんなでパーティーでもしようということになった。
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