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〜翔也side〜
10月10日 21時
「同窓会?」
「はい。今年は恋も行けるらしくて、一緒に行こうかって話をしてて…今週末の土曜日なんですけど…」
明希は翔也に視線をやりながら遠慮がちに言う。
行ってはいけないと言われるとでも思っているのだろうか。
「うん、行っておいで。」
「いいんですか…?」
「何でダメなの?」
もちろん、同窓会と聞いて不安がないわけではない。
それは、笹倉傑の存在だ。
烏沢財閥の一件以来、笹倉グループは急速に力を失い、それからは明希に一切手を出してこなくなったものの、まだ解決したわけではない。
実際、夏祭りの夜のことで少しはマシになったものの、明希の暗闇恐怖症はまだ治っていない。
同じクラスではなかったと聞いているが、傑や他にも明希をレイプした男たちに会ったらまた怯えるのではないかという思いもある。
でも、明希を縛り付けるのは嫌だし、楽しんでほしいという思いの方が強かった。
「ありがとうございます…」
明希はぎゅっと翔也に抱きつき、胸元に顔を埋めた。
そのまま頭をポンポン、と撫でてやるとさらに顔を擦り寄せてくる。
(あーあ…可愛いなぁ…)
「もしなんかあったら連絡くれればすぐに迎えに行くから。心配しなくていいよ。」
やはり明希も少し不安はあるのか、抱きつく腕を強くして、翔也に体を預ける。
「大丈夫。恋くんもいるんでしょ?きっと楽しいよ。楽しんでおいで。」
「…翔也さんの匂い…安心する…」
すんすん、と鼻を鳴らしてそう言う明希。
(…可愛すぎ…)
翔也は少し顔をかがめて明希の耳をぺろりと舐めた。
「ひゃっ?!」
「明希ちゃん、あんまり可愛いことばっかしてると襲うよ?」
「…っ…翔也さんなら…いいもん…」
バチッと視線が合って、少しの沈黙の後にそう言うと、明希は頬を真っ赤にして目を逸らした。
「…本当俺を煽るのがうまいね。」
翔也は明希の顎を掴まえるとそっとキスを落とし、そのまま深く舌を絡め、ソファに押し倒す。
「今夜は久しぶりにトロけてみる?」
そう言ってニヤ、と笑うと明希はさらに顔を赤くしたのだった。
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〜琉side〜
「同窓会か。」
一方同じ頃、恋も琉に同じ話をしていた。
「気をつけて行ってこいよ。」
「はい。」
「明希くんも行くのか?」
「翔也さんがダメって言わなければ。」
「ダメって言わないだろ、あいつは。」
「そうですか?」
「心配はするだろうけど、ダメとは言わないと思うよ。」
琉も翔也と同じで、傑のことが少し気にかかったが、その他の友人と会うのはきっと楽しいだろうと考えた。
「そんな顔すんな。大丈夫だよ、きっと。」
恋も明希のことが気にかかるのか、不安そうな顔をしていて、琉はそんな恋をそっと抱きしめた。
すると恋は控えめながら腕を回してきて、頭を胸元に押し付けるように抱きついてくる。
「大丈夫だよ。なんかあったらすぐ連絡しろ。な?行ってやるから。」
「はい…ありがとうございます。」
「さて、寝るか!」
「まだ21時過ぎじゃないですか。」
「…シたいんだよ。」
「な…!!」
琉は、照れて顔を真っ赤にする恋の頬にそっとキスを落とし、ニヤリと笑う。
「ほら、ベット行くぞ?」
恋はカァァと顔を赤くし、琉の服をつかみながらも視線は合わせない。
「い…1回だけ…ですからね…」
そう言って見上げてくる恋を見て、琉はふと、これで1回で収まるのだろうか…と考えてしまった。
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