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〜琉side〜
完全に放心状態だった琉は、インターフォンが鳴った音で我に返った。
いつの間にか夜は明けていて、琉は焦った。
チャイムを鳴らしたのは、翔也だった。
「ちょっと琉!お前スマホ見てないから心配したんだけど。」
「あぁ…悪い…」
「今日、監督が胃腸炎で、急遽撮影なしになったから。わざわざ言いに来てやったんだから感謝しろよ。」
撮影がないということに、心底ホッとした琉は大きく息を吐いた。
「てか恋くんは?こんなに早くから仕事?」
時間は8時。
思えば昨晩からずっとリビングにいた琉。
恋の名前が出ると、昨晩のことを思い出した。
そして口から出たのは深いため息。
「明希ちゃんが、恋くんと連絡がつかないって言ってたけど、今いるの?」
「…いない。出てった。」
「はぁ?!」
詳しく聞かせろ、と翔也が家に上がりこんでくる。
幸か不幸か、今日は予定していた撮影は1つだけ。それがなくなったのだから、琉も翔也も休みだ。
「…で?なんで出て行ったの?いつ出て行ったの?連絡は?」
質問攻めにしてくる翔也に対し、琉は何も言えない。
そんな時、琉のスマホが震えた。
電話で、相手は小雪だった。
「…はい、もしもし。」
『もしもし!久しぶり琉さん!元気?』
ビデオ通話にされ、笑顔で小雪が話しかけてくる。
『あれ?翔也さんがいる。朝から4人で集まってるの?』
翔也がいるということは、明希もいる、と思っているらしい。
「いや、明希ちゃんも恋くんもいないよ。」
『恋さんは仕事?久しぶりに顔見たかったのになぁ。』
「…恋なら今いない。出てった。」
『…は?』
琉の言葉に、小雪が真顔になる。
『ちょっとどういうこと?!』
「さて、ゆっくり説明してもらおうか?」
翔也と小雪に迫られ、琉は昨晩のことを話し始めた。
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