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〜恋side〜
11月11日
「んんー…」
「あ、恋さん起きた?」
「ぅわぁぁぁ!!」
起きた瞬間、目の前にはどアップの奏の顔。
「あ、ごめんなさい。驚かせちゃった?恋さん起きてこないから母さんが心配してて。」
時計を見ると、時間は7時半。前にここに来た時は6時に起きたのだからそれもそのはずだ。
「うわ…ごめんなさい…ほんと…」
「本当はゆっくり寝かせてあげたいけど心配だから見てきてって。どうします?ご飯食べますか?」
「うん、行く。」
奏と一緒に下に降りると、煌と隆文はすでに食事を終えていた。
「恋くんおはよう。」
「おはようございます。」
笑顔で挨拶してくれる隆文に、恋も挨拶を返す。
今日は日曜日だが、煌も奏も部活があるらしい。
隆文も今日も出勤日で、家に残るのは眞弓と恋だけだ。
「それじゃ、行ってくるよ。」
「行ってきまーす!」
「いってきますっ!」
恋がいつもより遅い朝食を食べていると、隆文、奏、煌は家を出て行く。
もう冷え込んできたここ最近、コートやマフラーも登場の出番だ。
「あら、父さん、マフラーは?」
「あぁ、忘れていたよ。ありがとう。」
笑顔で眞弓にお礼を言う隆文。
2人は本当に仲の良い夫婦だと思う。
「あの、お義母さん。」
隆文たちが出て行って、恋は眞弓に声をかける。
「どうしたの?」
「どうして、お義父さんと結婚したんですか?」
「そうねぇ…難しい質問ね。」
眞弓は優しく微笑んで、恋の前に座る。
「この人なら、一生一緒にいたいと思ったっていうのが、一番かしらね。他にもたくさん理由はあったわよ。でも、隆文さんがプロポーズしてくれたとき、ものすごく嬉しかった。純粋に、彼と一緒にいたいと思ったのよ。」
眞弓がそう言ったときの表情は、ものすごく柔らかく、隆文のことを心から愛しているのだとよくわかる。
「恋くんも、自分の気持ちに素直に従った方が、きっと良いことがあるわよ。」
眞弓のその言葉に、恋は考え込む。
琉と離れたくない。
一緒にいたい。
それは確実に、恋の本心だ。
もう、今更、彼のことを好きではないと思い込むことなど不可能だ。
(…やっぱりちゃんと…話し合わないとなぁ…)
恋はふぅ、と息を吐き、そんなことを考えた。
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