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※時系列注意※
〜恋side〜
12月26日 8時
「んっ…ぃっ…たぁ…」
朝、目を覚ました恋は、腰の痛みと股関節の筋肉痛で起き上がれなかった。
すでに琉は出かけているようだ。
「…ふふっ…」
思わず声を出して微笑んでしまったのは、自分の左薬指にはまった指輪を目にしたから。
腕を上に伸ばし、手をかかげる。
キラっと光るのは、小さなダイヤモンド。
何度見ても嬉しくて、夢ではないかと確認してしまう。
「っ…しょっと!」
気合いを入れて起き上がり、ベットサイドの棚の上から、ネックレスを取る。
いつも身につけているそれも、琉からもらったものだ。
「わっ…」
近くにある鏡に映る自分の首元を見て、思わず声をあげる。
そこら中に赤い痕が残っていて、昨夜は激しかったことがよくわかる。
「…てか俺まだ裸?!」
誰もいないのに布団を手繰り寄せ、上半身を隠す。
1人で恥ずかしくなった。
今日は仕事も休みなので、もう一眠りしようかと、恋はそのまま横になる。
スマホを開くと、琉からメッセージが届いていた。
行ってきます、というメッセージと、帰りは遅くなる、というメッセージ。
軽く返事を返し、次は【しょーとけーき】を開く。
そこで、プロポーズされたことを報告する。
自然と恋の口元が緩んでいく。
グループの会話は、いつの間にか、通話にしよう、という流れになっていた。
「はい、もしもし。」
『もしもし!プロポーズされたの?!』
朝から元気な明希の声に、思わずくすりと笑う。
「うん。」
『恋よかったね!おめでとう!!』
千秋も喜んでくれているようで、恋はますます嬉しくなる。
「うん。」
『もー、声が嬉しそう!可愛い!』
『指輪もらったの?』
「もらった…明希が指輪ずっと見てる理由わかる。もうめっちゃ嬉しい…」
『でしょ?!』
『ふふ、きっと今、すごい幸せそうな顔してるでしょ?』
「えへ…そうかも…なんかもう、頬が緩んじゃって…」
『やだー!恋がめっちゃのろけてる!!』
明希が楽しそうにそう言う。
『どこで渡されたの?お家?』
「ううん。駅前の、ツリーの前。」
『さすが琉さん。ロマンチックー!』
『あれ…?昨日のいつ渡されたの?もしかして夜?』
「うん、夜だよ。」
『雪降ってたじゃん!やばーい!めっちゃロマンチック!すごい!』
「俺もびっくりした。」
『すごいね。』
「しかもね、プロポーズされてすぐ、雪降ってきて…なんかほんとに、ドラマみたいだった。」
『わー、もうすごいね!!俺たちみんな、指輪のもらい方違うよね。』
『確かに。僕は水族館で渡されて、明希は誕生日に婚約指輪もらったんだっけ?』
『そう!んで恋がクリスマスの日、それも琉さんの誕生日にツリーの前でとか!!それもホワイトクリスマス!やっぱ琉さんすごいなー。』
『前から何か考えてそう、とは話してたけどね。』
「うん。あーやばい。にやける。」
『もー!恋かわいいな!!』
『明希朝からテンション高いね。』
クスクスと笑う千秋に、恋も同意する。
『だって嬉しいじゃん!恋も指輪もらえたんだもん!』
『まあ確かに。あとは届け出して、式挙げるだけ?』
「うん…なんか照れるわ。」
このあともしばらく、ベットの中でゴロゴロとしながら、明希と千秋と話してから電話を切った。
電話を切ってからも、ふわふわとした幸せに包まれていた恋は、そのまま眠りについてしまった。
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