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〜千秋side〜
7月7日
「ちーあーきっ!」
「わぁあ!!」
「ごめん、びっくりした?」
振り返ると、えへへ、と笑う楓がいる。
「たまたま見つけて声かけちゃった!!」
「千秋、友達?」
そんな楓を見て、明希が首をかしげる。
「あ、うん。専門学校の友達。」
「あ、なるほどー!」
「初めまして!僕、望月楓!」
「初めまして!俺、木之本明希です。」
「ほわぁぁ、可愛い友達だね!」
「えぇっ?!」
明希を見てニコニコする楓に、明希は照れてしまった。
「か、可愛くないよっ!楓くんの方が可愛い!」
「えー?」
「2人とも可愛いよ。」
「「千秋には言われたくない!」」
息ぴったりでそう返してくる2人に、千秋は思わず吹き出す。
「ところで、こんなとこで何してるの?」
楓にそう聞かれる。
「友達が今日誕生日で、プレゼント買いに来た。この後誕生日パーティーするんだ。旦那さんが仕事で1人らしいから。」
「ほえぇ…てか千秋の友達既婚者なの?!」
「俺も既婚者だよ。」
「ええっ?!木之本って、まさか、まさかだったりする?」
「あはは…そのまさかだねー。」
「ええええ!!巷で話題の!!」
楓は明希が翔也の嫁だとわかって大興奮だ。
「すごいなぁ…あ、僕も今から行ったりするのって…だめかな?」
「僕はいいけど…明希、どうする?」
「俺もいいよ。ってか恋に聞かないとだよね。」
「どんな人?」
楓がキラキラとした瞳で聞いてくる。
千秋は微笑み返しながらも、複雑な気分だった。
楓からあの話を聞いてから、どうにも落ち着かない。
いつ本当のことがバレるのか、バレたらどうなるのか、そればかり考えてしまう。
紘に相談できるはずもなく、結局1人で悩み続けていた。
「恋は…うーん…まあ行けばわかるんだけど…赤津琉の、奥さん、だね。」
「えっ!!この前めっちゃイケメン発言してたイケメンでしょ!!奥さん溺愛の!!」
「うん。」
「千秋の周りすごいね!ってことは千秋の彼氏も有名人だったりしてー!」
「千秋の彼氏も有名人だよね!なんてったって…」
「あー、明希!恋に連絡!!」
「あ、そうだったよ。」
(危なかった…)
いつかはわかることだが、今ここでバラしたくはない。
楓を騙していることになってしまっているのは申し訳ないと思うが、でも今は、言えなかった。
「そういえば、千秋の彼氏の話って全然聞いたことない!どんな人か教えてよ。」
「う、うん、後でね。」
へらっ、と笑ってごまかす。
「恋おっけーだって!」
「じゃあ買い物済ませて早く行こう。」
「だねー!」
「混ぜてくれてありがと!」
「いえいえ!」
話が逸れてくれてホッとする。
それから買い物を済ませて、3人で恋の家に向かった。
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