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店長さんに、
記憶喪失になったこと。
橘と一緒にいたくて記憶喪失のふりをしたけれどバレてしまって、勢いで告白したこと。
その返事で断られることをわかっているから、聞きたくなくて逃げたこと。
勿論、橘の名前は出さなかったけれど…。
すべて話し終えたら、店長さんは難しそうな顔をして考えこんだ。
そして、
「あのさ、兄ちゃん。逃げずに1回その子の返事聞いてみたらえぇんとちゃうか?」
と言った。
『…え?』
「いやさ、聞いてる感じやと可能性0ではなさそうやな〜とか思ってな。0.1%の可能性を否定して後から気づいた時にはもう遅かった、なんて兄ちゃん後悔するんとちゃうか?」
…。
正直返事は聞きたくないが、店長さんのアドバイスは凄く的を得てるように感じた。
だから、ちゃんと橘の返事を聞こうと決意した。
しばらく店長さんと話していると、
「川瀬っ!やっと見つけた」
と橘が走ってきた。
「……正人さん?」
「おぉ〜千秋!なんや、兄ちゃんと友達なんか!」
この間、二人で歩いているところを見たが、一体二人はどういう関係なのだろうか。
1人で橘と店長さんのやりとりを見守っていると、
「おぃ、川瀬。こいつになんもされてねぇだろうな?」
ときかれた。
「そんな人聞きの悪いこと言いなさんな。なんやねん、1人で熱くなっちゃって〜。兄ちゃんのこと好きなんか〜?」
…えっ、何故そうなった?
「………あぁ。好きだ。だから、川瀬に手ぇ出すんじゃねぇぞ?」
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