アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ストーカーと僕 5
-
「うわ」
飲み物を持っていくから先に部屋へ、と言われて来たが
何度見ても慣れないな
部屋にあるのは、勉強机とベッドと小さな丸テーブルといった一般的な部屋なんだが
壁一面に自分の顔が貼られている
この体操着の写真なんか、いつ撮られたんだか
「実物が、俺の部屋に」
「写真を撮るな」
毎回やっているな
ストーカーが盗撮した写真に囲まれた実物がいると興奮するらしい
2人分の飲み物を丸テーブルに置いて、ストーカーが僕に近付いてくる
別に逃げたりはしない
「先輩は、この角度が特に、素敵っす」
僕を後ろから抱きすくめて、壁の写真を指さす
「頭に顎を置くな」
僕が小さいみたいじゃないか
「でも俺は、この先輩が好きっす」
ストーカーが指さしたのは、僕が目を瞑っている写真だ
いつの時の写真だ?
張り替えたと言っていたから最近の写真のはずだが
「キス待ち顔」
「なっ」
最近キスしたのは、確か、1週間前か
あの時か
油断した
こんな相手に気を許した顔をストーカーに撮られるなんて
「キスした後の、顔も、好きっす」
ストーカーがまた別の写真を指さした
その写真の僕は、風邪をひいた時のように潤んだ目と染まった頬、全体的に火照っていた
こんな写真まで撮られていたのか
この僕は、相手が好きでたまらない、といった顔だ
色っぽい顔も出来るのか
「エロくて、大好きって、伝わって来るっす」
「それは良かったな」
悪かったな、普段表情がなくて
「先輩・・・・」
「匂いを嗅ぐのはやめろ」
香水を付けているわけでは無いのだから
汗の匂いしかしないだろう
僕を抱きしめるストーカーの手が熱い
「お前がいて良かったって言ってもらえて、嬉しかったっす」
「事実を伝えたまでだ」
「先輩、大好きっす」
僕の耳にストーカーの唇が触れた
熱い
身体中が、熱い
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 24