アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
兄弟の時間 1
-
俺は兄様にカフェに連れて行かれた。
おしゃれなカフェで俺には似合わないな…
と思ってしまった…
「游來。単刀直入に言うね。桜田の性に戻ってこないか?」
…
何言ってんだ?
何でいきなりこんな事言ってくるんだよ…
「何で?俺を捨てたくせにいきなり戻ってこいとか横暴すぎませんか?」
「そうだとは思ってるよ。でも父さんと母さんが游來をまた家族として話したい。と言っていたんだよ。」
父さん、母さん…ね
俺にはそうは呼べない…
俺なんかに父さん、母さんなんて呼ぶ資格はないから…
「俺は戻りたくない…」
「でも…今も満足な暮らしをしてないだろ?」
「それはそうだけど…」
「一度でもいいから父さん達に会ってみないか?」
一度だけ…ね
「1度だけでもならさ…俺はやっぱり桜田になんて帰れないよ。」
「それでも!俺は游來があの家を追い出された時は凄いショックだった。」
「そうですか…兄様の気持ちなんてどうでもいいです。」
俺はつい冷たい言葉を言ってしまった…
「游來に嫌われるのはしょうがないと思ってる。今まで游來と違って裕福な時間を過ごしてきた。でもこれからは游來も俺達と一緒に住んで家族の時間を大切にしよう?」
「今更ですか?同情ですか?そんなのいりませんよ。」
兄様や父様、母様に会うことが俺は一番恐れていたこと。
俺は何でもできてしまうことからいじめられてそれから親に捨てられて人を信じる事をやめた。
だからそんな事言われてもまた捨てられたらなんて考えると人を信じる事なんて出来ない。
「游來は人が怖いんだよね?」
「…」
「ご飯も彗月が作った物しか食べられないんだよね?」
「…」
何も言い返すことができない。
「本当に一度だけでいいんだ!父さん達に会ってくれないか?」
兄様が俺に深々と頭を下げた。
「分かりました。」
そう俺言った。
「ありがとう。早々だけど明後日来てくれないか?」
家に帰るのか…
何年ぶりだろうか…
まだ俺の部屋はあるのだろうか…
そう思いながら俺は明後日を迎える事にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
38 / 61