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夜明け
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長い夜が明ける。
楽しくても、悲しくても、苦しくても、朝は来る。
「竜也ぁーっ、朝日が昇んでぇーっ!」
賑やかだったネオンが、灯りを消していく。
繁華街の雑居ビルの屋上。
さっきまで暗かった空に、うっすらと白さが増す景色を眺め、京之介は後ろを振り返る。
「おーっ、勝利の朝日がお出ましじゃあっ!」
勝利の朝日。
そう叫ぶ竜也の足元には、いかにも今終わりましたと言わんとばかりに、ここいらで幅を利かせていた不良グループが伸びていた。
その数、ざっと20人。
昨晩、関西で有名な不良・竜也と京之介は、このグループから喧嘩を吹っかけられた。
売られた喧嘩は、買う。
彼ら、二人のモットー。
だから、買いましたよ、昨晩も。
『オイ』
ただでさえ目立つ風貌が、仇となる。
京之介は、背後から突然声をかけられた。
オイ。
そう、「オイ」と。
バコッ……………………!
『誰が、「オイ」じゃコラ』
ええ、売られたんです、喧嘩。
京之介、振り向き様に腹へ蹴りを食らわす。
立派な自己防衛。
相手は、軽く3メートル程飛びました。
『……………………あ?何や、京……………サー○ィワン食わへんの?』
そこに、サー○ィワンアイスを持った竜也登場。
この後、お馬鹿な不良が竜也へ殴りかかり、楽しみにしていたダブルの内1個を落として、竜也の逆鱗に触れる。
ええ、だから売られたんです、あくまで喧嘩。
こうして、竜也と京之介は、一夜にして20人あまりをぶっ倒す乱闘騒ぎを起こす羽目となる。
「ざっと見て、俺が15はいったな」
気絶した不良達を見下ろし、まず京之介が得意気に笑う。
「はあ?アホ言えや………………俺が、15やろ」
それを聞いた竜也が、負けじと言い返す。
「ぁあ?俺が、15やて」
「ぃんやっ!俺が、15っ!」
どうでも良いが、どうでも良くない問題勃発。
「おっし、わかった!なら、コイツらに聞いたろうやないかっ」
「おーっ、聞いたろうやっ!」
いや、伸びてるけど。
そんな事は、二人には関係ない。
不良達の身体を跨ぎ、胸ぐらを掴む。
「こぉらぁっ、お前ら起きや!俺と京のどっちにヤられたか教えろや!」
「ん…………………ぅん………………」
身体を揺さぶられる不良は、意識朦朧。
どっちにヤられたかかなんて、わかる訳がない。
とにかく、強かったのだ、二人共。
「おーぃっ!起きぃって!!」
明けの明星の下。
朝日と共に轟く、叫び声。
関西に、イケメン怪物コンビ有り。
とんだ二人のとんだ一日は、こうして今日も始まる。
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