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episode.03-6
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ジル「…俺は最初からラズに惚れている」
ケヴィン「…俺は勧めない。あの少年は、次に番関係を解消されたら間違いなく死ぬ。お前は戦場に赴く軍の総統でもあるんだ。あらゆるものを背負うべきお前に、あの子の命までもかかることになるんだぞ」
ジル「…死なない、と言ったら」
ケヴィン「それでもだ。あの少年はお前を愛するのか?愛のない番関係はΩにとって地獄だ。一生縛り付けられる。それにお前は、一国の王になる男。世継ぎも所望される。それがどれほどのストレスになるか、わかるか?」
ジル「……ラズが望まないことはしたくない。だが、辛そうなのを見ていられるほど、俺の気持ちは生半可でもない」
ケヴィン「…今は耐えるしかない。あの少年が、お前と番になる事を望むなら、俺も止めない。お前が誰かを好きになるなんて初めてだからな」
ジル「少しでも楽にしてやってくれ」
ケヴィン「…善処はする」
ケヴィンはまた明日来る、と言って城を出て行った。
俺はハンスの部屋に向かった。
ジル「俺だ。ハンス、少しいいか」
ハンス「ジル様…ラズは大丈夫ですか?」
ジル「レイとロンが付いている。あなたに頼みたいことがある」
ハンス「頼み…ですか?命令ではなくて…?」
ジル「そうだ。ラズのことを、調べて欲しい」
ハンス「え…」
今まで俺は、ラズについて気になることがあっても、本人が覚えていなかったり、話したくないんだろうと思い、調べたりすることはしなかった。
ジル「…あなたはΩだ。ラズの苦しみも、わかるだろう…だからあなたに頼む。調べるべきでないと思うなら、調べなくていい」
ハンス「…仰せのままにいたします。1日ください。あまり猶予がないのはわかっていますから」
この男は本当にできた男だ。
猶予がないことまで見抜いて、恐らく色々なことを考えて、従うと言っている。
ジル「わかった。報告は明日の夜までに頼む」
ハンス「わかりました」
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