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君のためなら子供にも大人にもなれる
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息を切らして駆け付けたそこには、有り得ない光景が広がっていた。
身体を震わせ、涙を流しながら風紀委員長に口付けるシュウさん。
その腰をしっかりと抱き寄せ、愛おしいとでも言うように頭を撫でる風紀委員長。
何だこれは。
シュウさんは風紀委員長の事が苦手で、風紀委員長もシュウさんの事が嫌いなんじゃなかったのか?
「シ——シュウさん...?」
おそるおそる、声をかけた。
間違っていてくれ、何かとんでもない理由があるのかもしれないと思いながら。
声をかければ、一瞬目を見開くシュウさんと舌打ちをする風紀委員長。お前に興味はない、去れ。
そんな思いは当然通じず、口を開いたのはシュウさんではなく風紀委員長だった。
「おいおい、愛瀬の最中に声をかけるなんて無粋じゃねぇのか?副会長よ」
「なっ....愛瀬って......冗談ですよね?シュウさん」
冗談だ、嘘だと言ってくれ。
この男に脅されているのだと。
そんな願いを込めてシュウさんを見る。
だが、シュウさんの目はいつもの目とは違っていて。
「円が言ってることは本当だよ。.......邪魔しないで、シン」
淡々とそう言って、顔を隠すように風紀委員長に抱き着いた。
「ま、そう言うことだ。残念だったな、猫被りの王子様?」
俺の肩を軽く叩き、シュウさんの肩を抱いて出て行く風紀委員長とシュウさん。
俺はそこにただただ立ち尽くすことしか出来なかった。
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