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どろどろの邪心(5/12)
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少年は納得がいかぬとでもいうように、頬を膨らませ唇を曲げている。 我はその表情を盗み見ながら、洗っていた少年の着物をしぼり、水気を取った。 高い木を駆け上りてっぺんにそれを干すと、ヒトの子は歓声をあげる。 「すげー!! 白、木登りじょーず!」 「……」 無言を保ちながら、木からストンと降りると少年は駆け寄ってきた。 やはり馴れ馴れしいヒトの子だな。 「ねー、白は泳ぐことできる?」 「出来るが……そこの川では泳げぬぞ。浅すぎる」 「じゃあ水遊びしよう!白も脱ぎなよ」 「な…何をする…っ」 「白の服って変わってるなー…これかなぁ?…えいっ」 「……!」 少年が我の着物の帯を引き抜くと、我の肌があらわになる。 幼き少年が雄の着物を剥ぐとは……最近のヒトの子は恐ろしいな。 「わー…白のお腹、割れてる!すげー!」 「……」 「ん?白のパンツ、どーなってるの?」 「褌というものだ。……っ!?小僧、引っ張るな!」 「あはは、おもしろーい」 少年は笑いながら褌の一部を引っ張る。 くっ、大事なところが食い込む…! 下帯を引っ張るなど、何と羞恥な。 やはり最近のヒトの子は恐ろしすぎる。 「く…っ、調子に乗るな、ヒトの子……!」 「あれ……?あああっ!尻尾だ!白のお尻に尻尾が生えてる!やっぱり狐さんなんだねっ」 「う…っ、握るな!触るな…ッ」 尻尾に触られるのは、昔から弱い。 力が抜けて、膝をついてしまった。 あぁ……何と情けない事だろう。 幼き少年にいい様に遊ばれている、今の我の姿は。 我がヒトの子を襲うはずが、逆に襲われている気分だ。
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