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どろどろの邪心(9/12)
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「白……会いたいよ…」
「また明日、会いにいけばいいんじゃないかぇ?」
「……!…ばーちゃん」
「泣きそうな顔をして…。たっちゃん、ばあちゃんが何でも聞くよ。
…話してごらん」
「あのね、白……寂しいって言ってた。
けど、強くないからダメなんだって。だから、もう会わないって言われたんだ」
「ほう……」
「白、悲しそーな目、してた。
俺…白のこと好きだし、会えないと寂しいよ。
白もそれは同じなんだよね?なのにどーして会えないの…?」
泣くのをグッと我慢しながら、ばーちゃんを見る。
すると、ばーちゃんがしわしわの手で俺の頭を撫でてくれた。
「ばあちゃんには、たっちゃんの気持ちも狐さんの気持ちも、ようく伝わってきたよ…」
「ばーちゃん……?」
「たっちゃんは、また狐さんに会いたいのだろう?」
「うん……」
「それなら、探したらええ。明日見つからなくとも、諦めずに次の日も、また次の日もな…。
狐さんがたっちゃんの事を好きなら、きっとまた現れるだろうよ……。
再び縁を交える覚悟は、狐さんが決めるのだから…」
「……?」
ばーちゃんのお話、難しくてわからない…。
俺が首を傾げていると、ばーちゃんはよいしょと言って立ち上がった。
「明日、ばあちゃんと一緒に参拝しような…たっちゃん。あの裏山には、小祠があるからの」
「しょーし?」
「小さな社……神様がいる場所だよ…。
拝んだら山の神様がきっと狐さんと会わせてくれよう…」
「うん…」
「たっちゃん、元気出しな。…"笑う門に福来たる"だよ」
「……うん!…ばーちゃん、ありがとう!おやすみなさい!」
「おやすみ、たっちゃん」
笑わなきゃ!笑顔で白を迎えるんだ。
寂しい気持ちにさせたりしないよ、白。
俺がずっと一緒にいるから。
…安心したら、眠くなっちゃった……。
待っててね、白……。
必ず、会いにいくよ。
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