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尋ね人と待ち狐(7/22)
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「……っ」
白……前に言ってた事、覚えててくれたんだ…。
嬉しくなって、ぎゅううっと抱きつく。
白……白は本当に優しい狐さん。
白の胸はあったかくて、いい匂いがした。
「白……ただいま」
「…おかえり」
白のぎこちない返事を聞いた後、手探りで白の顔をベタベタ触る。
「小僧…、一体何を…っ」
「白のほっぺにチューしたい。
俺のかーちゃんととーちゃん、いつもしてるの」
「……我々は女夫ではない。する必要は皆無だ」
「めおと?」
「夫婦のことだ」
「…じゃあ俺、白と結婚する!」
目を閉じたまま堂々と宣言すると、白はゴホッと咳き込んだ。
「白…だいじょーぶ?」
「けほ…っ、誰のせいで咳き込んでいると思っているのだ…!」
「え、俺のせいなの?」
「当たり前だ、ヒトの子」
「だ・か・ら!"ヒトノコ"じゃない!俺、タケノコみたいな変な名前じゃないもんっ」
「…達希」
「うん、そう!白、早くお面つけて。目をつぶると真っ暗で怖いよ」
「あぁ……もう目を開けてもよいぞ、ヒトの…ではなく、達希」
目をそろそろと開けていくと、狐のお面をつけた白が俺を見下ろしていた。
「……えへへ」
「何だ、急に。気持ち悪いぞ」
「あのね、お面をつけていても、今の白の表情が分かる気がするんだ」
「……」
「俺、大人になったら白をお嫁さんにもらうよ!白のことが大好きだから…!」
「ま、待て!我とお前が結婚できるわけがなかろう。
しかも…お前ではなく、我が嫁入りだと?ふざけたことをぬかすな」
「ふざけてないもん!俺、本気だよ!」
「……はぁ」
白は重いため息をつくと、俺の手を掴む。
そして、歩きだした。
「お前は無知すぎる……話すと長くなりそうだし、ここは落ち着かん。場所を変えるぞ」
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