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ちぎり、ちぎり(2/21)
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白……。隣に座り、白の大きな手を握る。
「…うん。ごめんね、白」
「……」
「えへへ…大好きだよ」
「…、そうか」
白はあんまり"好き"って言い返してくれない。けどそれは照れてるだけなんだって事、俺はちゃんと知ってる。
満月の日だけ、昼間に狐の耳が生えることも知ってる。
白のことは、俺が一番知ってるんだ。
──白と楽しく過ごした冬休みも、もう終わり。
さっきバイバイしたばかりなのに、白に会いたくてたまらないよ。
かーちゃんが運転する車の後部座席の窓から、遠ざかっていく白の山をじっと眺める。
「達希、ちゃんと座りなさい。危ないでしょ」
「はぁい…」
「春休みもまた来るんだから。そんなにしょぼくれないの」
「…うん」
ぎょーぎ良く座り、首に巻いているマフラーに顔をうずめる。
早く……春休みにならないかなぁ。
もっとお喋りしたい。もっともっと、白と仲良くなりたいよ……。
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