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ちぎり、ちぎり(5/21)
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絆がもろくなる度にぶつかり合い、絆を更に深めていく我と達希。
何年か経ち、高校生というものになった達希は……とうとう、我の背たけを越した。
手のひらの大きさや体の肉付きも……我より立派になっていた。
姿は変わっても、やはりあの太陽のような笑顔と性格は変わらない。
とうに元服の歳を過ぎたというのに、我の手を平気で握ってくるのだ……あたたかい眼差しを向けながら。
甘えん坊だが、背が高く適度な筋肉がついていて顔が整っている達希。
こやつを狙う女人は、さぞかし多いのだろう。
だが、心配ない。
我は達希の事を信じている。
そして、我らは互いに想い合っているのだから。
──そう思っていたのに、何故。
何故我に嘘をついた?
何故我を裏切った?
達希……お前だけが、我の光だったというのに。
所詮、あやつもヒトの子。
達希だけは他のヒトの子とは違う、そう信じていた我が、馬鹿だったのだ。
嘘つき。裏切りもの。
太陽のようなあの笑顔は、永遠には存在しなかった。
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