アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
別れ・想い人に懸けるもの(14/16)
-
「……泣きすぎだよ、白。小さい子供みたい」
「うるさい…お前だって我と初めて会ったとき大泣きしてただろう」
「はは、懐かしいな。でも、迷子になったから白と出会うことができたんだ…」
「……あぁ」
ひとしきり泣いた後なんとか平常心を取り戻すことができた我は、達希を背におぶい山の頂上へと向かった。
大木の下で、達希をゆっくりと背から降ろす。
「して、何故お前はここへ?病も治っておらぬというのに…」
「白と、約束したからね。"必ず帰ってくる"…"死ぬまでそばにいる"って」
達希はそう言うと、頬を緩ませてにこっと微笑んだ。
「遅くなってごめん。…ただいま、白」
「……おか…えり……」
だめだ……。また泣きそうになってしまったため、唇を噛んでぐっと堪える。
達希は我の手をとると、銀の指輪を撫でて囁いた。
「大事にしてくれてありがとう……。
俺の最期、看取ってくれる…?」
「あぁ…もちろんだ。我に出来ることは、何でも叶えてやろう」
そう言うと、達希が眉を下げて俯く。
……どうしたのだ…?
「あのさ、白……俺と一緒に、死んでくれる…?」
「は……?」
「じょーだんだよ、じょーだん。ごめんな、変なこと言って。大体、そんな事できねーのにな…」
「…………」
一緒に…死ぬ?達希と共に。
……いいだろう……お前がそう望むのなら。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 72