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そうしてクソつまらない50分が始まる。
授業を聞いている生徒はもちろんほぼいない。40人クラスだが僕を含め片手で数えられる程度しかいないだろう。
騒ぐやつ、後ろのやつと喋るやつ、寝るやつ。
他校の同い年が見たらひっくり返る景色だと思う。ゆーて僕もそんなに真面目には聞いていないから不良側なのかもしれない。
僕の斜め前に座る彼女、佐久良さんは真面目に授業を聞いている数少ない生徒だ。
一回も染めたことないであろうさらさらな黒髪。そして真っ直ぐ黒板へ向けられた綺麗な顔立ち。そして女性らしい華奢な肩とすらっと伸びる足。言わずもがな、佐久良さんはうちの学校のマドンナである。
彼女がなぜこの学校に入学したのかは知らないが、全然校風にあっていない。もちろんいい意味で。なんで彼女の様な真面目で育ちの良さそうな子がこんなところに通っているのだろう……。進路も進学に決まったと風の噂で聞いたのはつい最近の話。
(今日も綺麗だなぁ……)
授業を半分聞き流しながら佐久良さんを横目で見つめる。彼女のような美しい人に、僕のような人間はどう映るのか考えたことがある。馬鹿にされるか、見下されるか。そんなことを考えるような人ではないと知ってはいるが、どうも僕の方が捻くれていて、それ以外想像がつかなかった。
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